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新規格「Qマウント」採用

ペンタックス、名刺以下のサイズを実現した一眼カメラ「PENTAX Q」を発売

公開日 2011/06/23 18:51 ファイル・ウェブ編集部
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■同社幹部が製品の魅力を説明 − ゲストからは「悪女みたいなカメラ」とコメントも

本日行われた製品発表会には、同社イメージング・システム事業部 事業部長の井植敏彰氏らが出席。井植氏はミラーレス機を含むデジタル一眼カメラの市場が右肩上がりであることや、コンパクト機購入者における一眼機の購入意欲が年々高まっているというデータを紹介した。

井植敏彰氏


入門者向け普及機の市場動向

デジタル一眼を購入してみたいと思っている層も年々増えているという

しかしその一方で、「操作が難しそう」「持ち運ぶには重そう」というネガティブなイメージもあるとコメント。こうしたイメージを持っているせいで、なかなかデジタル一眼の購入に踏み切れないユーザーへ向け、新コンセプトの製品を開発したと語る。

デジタル一眼についてのイメージ調査結果

レンズ交換も「難しそう」などのネガティブイメージが多いという

そしてKマウント、645マウント、Qマウントと3種類のマウントが揃ったことに触れ、「3種類のラインナップを持つ総合カメラブランドとして、ユーザーの要望に幅広く応えるとともに、デジタル一眼の使い方やその可能性をさらに広げていく」と述べた。

井植氏に続いては、同事業部 副事業部長の北沢利之氏が登壇し、製品解説を担当。他社の小型ミラーレス機と比べてもかなりコンパクトなボディサイズを実現していることや、解像性能や輝度ノイズ抑制などの機能面においても優れた能力を持っているとアピールする。

北沢利之氏


他社ミラーレスとのサイズ比較表

各種性能においても優れていることをアピール

また、交換レンズにおいては標準単焦点レンズと標準ズームレンズを「高性能レンズシリーズ」、そのほか3モデルを「ユニークレンズシリーズ」としてラインナップしたと説明。Qマウントのレンズにおいては「通し番号+英語表記での一般的な呼称」という製品名で、今後も展開すると述べた。

2種類のシリーズで交換レンズをラインナップ

あわせて、ユニークレンズでは低価格と小型軽量化を実現した点にも言及。「『レンズを変えると写真が変わる』ことを、もっとたくさんのユーザーに実感してもらいたい」と、その狙いを説明した。そして「PENTAX Qは新しい市場を開拓する。また、Kシリーズと645シリーズを含め、デジタル一眼の新しい可能性を今後も追求していきたい」とした。

発表会には写真家のテラウチマサト氏やモデルの里織(さおり)さんというゲストも登場。製品を実際に試してみての感想などを語り合った。

テラウチマサト氏

里織さん

テラウチ氏は、開口一番「“悪女”みたいなカメラ」と本製品についての使用感をコメント。「試作機ということもあってフリーズもされたので(笑)」とのコメントに続き「もう使うのやめようかと思うと思いがけない1枚が撮れたりした。また、『えっ!?こんな写真も撮れるの?』と驚かされたりもした」と、その魅力を述べた。

テラウチ氏が本機を使用してニューヨークで撮影してきた写真を見ながらのトークが繰り広げられた

モデルでもあり二児の母でもあるという里織さんは、「こんなに可愛くて機能もたくさんついていて、まるで私たち主婦みたいですね(笑)」と製品の印象をコメント。「毎日近くに居て欲しいですね」と、魅力を感じていることを表現した。

発表会の司会は中井美穂さんが担当

以下、質疑応答の模様をお届けする。

Q.販売目標があれば教えて欲しい。

A.それほど大きな目標は掲げていない。社内的な数字は設定しているが、具体的には差し控えたい。

Q.各社がミラーレス機を投入しているが、そうした中でのセールスポイントはどこにあると考えているか。

A.画質がキッチリとしていながら、これだけの小ささを実現している点が一番大きなポイントだ。

Q.スマートエフェクト機能には、トイカメラモードの「Auto110(オートワンテン)」を備えている。かつて銀塩カメラで展開していたAuto110とはどのように関係しているのか。

A.商品企画上でインプレッションを受けたのは確か。DNAを引き継いだと思って頂ければと思う。

Q.およそ半年ほど前に御社の幹部が「ミラーレスが好評なのは日本市場だけ」といったコメントをしていたが、そうしたコメントがあったのにミラーレス機を投入してきた理由を教えて欲しい。

A.確かにミラーレスは市場によってバラツキがある。我々としてはミラーレスが売れているだとか売れてないという観点からではなく、「一眼レフに移行したい」という需要があるということを見ながら開発をした。他社をあまり意識したものではない。

Q.需要があると判断したとのことだが、販売目標は「それほど大きくない」という説明があった。少し弱気にも思うのだが?

A.堅実に経営していこうという考えのあらわれだと考えて頂いて結構かと思う。

Q.デザインについて込められた思いなどがあれば教えて欲しい。

A.様々なパターンからこの形状を採用したのだが、どちらかというとクラシカルなイメージとミラーレスの先進的なイメージの融合を目指した。また、モノとしての存在感を出したいというコンセプトがあった。

Q.交換レンズについては、サードパーティへの仕様公開などの予定はどうなっているのか。

A.現在のところは考えていない。今後の検討材料としたい。

Q.今回の交換レンズには望遠系やマクロのものがラインナップされていないが、この理由を教えて欲しい。

A.マクロや望遠レンズももちろん視野に入っている。時期的なタイミング、開発のリソースなどで優先順位を決めてこのラインナップとなった。

Q.今回の製品からすると「APSのミラーレスはやらないのか」とも感じるが、そうした点について何か言えることがあれば教えて欲しい。

A.言えることがひとつもない(笑)。ご勘弁頂きたい。

Q.ミラーレス市場では国内メーカーの競争が激しくなっている。Qシリーズ発売における意気込みを改めて語ってもらいたい。

A.写真文化が広がっている中で、もっとキレイな写真を撮りたいという方は非常にたくさん潜在的にいる。そこへ各社が色々なモデルを出していくことは業界として非常に正しいアプローチだと思っている。また、ハードウェアとしてはコンパクト、一眼レフという呼び方をしているが、どんな写真を撮りたいかというのは実はユーザーまかせ。色々なものを撮れる可能性を提供するのがメーカーとしての役目だと考えており、その2つのくくりだけに集約してしまうのは少し乱暴かとも思う。本機ではそうした部分のひとつを補わせて頂いている。

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製品スペックやデータを見る
  • ジャンルデジタルスチルカメラ/静止画編集
  • ブランドPENTAX
  • 型番PENTAX Q
  • 発売日2011年
  • 価格¥OPEN(予想実売価格70,000円前後/レンズキット)
【SPEC】●レンズマウント:ペンタックスバヨネットQマウント ●撮像素子:1/2.3型CMOS、総画素数約1275万画素 ●有効画素数:約1240万画素 ●記録媒体:SD/SDHC/SDXCメモリーカード ●モニター:3.0型TFTカラーLCD、広視野角タイプ、明るさ・色調整機能付
●外部インターフェース:USB2.0(ハイスピード対応)、AV出力端子、HDMI出力端子(タイプD) ●外形寸法:約98.0W×57.5H×31.0Dmm ●質量:約200g(専用電池、SDカード込み)