高画質化・高機能化と小型化を両立
ソニー、世界初の「積層型構造」採用の新CMOS「Exmor RS」を商品化
この点について、発表会で説明にあたったソニー(株)業務執行役員SVPデバイスソリューション事業本部イメージセンサ事業部 事業部長の上田康弘氏は、SoCタイプであれば約40%の小型化ができると説明。「CCDより小さいCMOSセンサーを作れる」と述べた。
また、画素領域と回路領域との関係性についても「センサーとロジックというのはプロセスが全く相反する水と油のようなもの。従来はそれを同一平面上に無理をして作っていた。それを別々にしそれぞれに特化したプロセスで作れるので高画質化できる」と説明した。
加えて、「通常のExmor Rは完全にフラットな基板の上につくるのだが、今回は凹凸に合わせて貼り合わせていくのが難しい部分で、そこに我々のノウハウがある」と、積層型構造のポイントについても解説した。
ユニットセルサイズは3モデルとも1.12 μm (H) x 1.12 μm (V)で、イメージングモジュールにおいては業界最小の1.12μm単位画素に最適化した新設計のレンズを採用。「IU135F3-Z」ではF2.2という数値(他2モデルはF2.4)を実現した。
主にスマートフォンやタブレットなどへの搭載を想定しており、「表示画面の大型化によってイメージングモジュールの組み込みスペースが限られるスマートフォンなどに向け、積層型構造の特長を生かした、高画質化・高機能化・小型化を実現するイメージングモジュールの商品化を目指し、商品構成を拡充しながら、お客さまの要望に一層お応えしていく」としている。
RGBWコーディングおよびHDRムービー機能について上田氏は「スマートフォンを使っている皆さんの『こんなところが改善されればいいのに』という声に応えた」とコメント。ホワイトコーディングを加えたことで感度を上げたことを「居酒屋でもキチンと写真を撮れる」と表現するとともに、「動画ではリアルタイムにダイナミックレンジの補正をやらなければならず、そこを実現できる方法がなかなか出ていないが、今回の技術で高ダイナミックレンジを実現できた」と言葉を続けた。