LDACと有線接続時の音質の違いも検証
【CES】“Bluetoothでハイレゾ伝送” 新コーデック「LDAC」の詳細を関係者に直撃!対応機試聴レポも
ハイレゾ対応Bluetoothスピーカー「SRS-X99」「SRX-X88」も速攻インプレ
2014年3月に発売されたBluetoothスピーカー「SRS-X9」の後継モデルとして今回初披露された「SRS-X99」と、その弟分モデルの「SRX-X88」も展示され、Bluetoothスピーカーによるハイレゾ・ワイヤレス再生のデモが行われた。なお、SRS-X99はソニーのフルデジタルアンプS-Master HXによるマルチアンプ駆動といった構成を踏襲、SRX-88は上向きのスーパートゥイーターを省いて一回り小さくなっている。
CESの会場内は騒音のひどい劣悪な環境であったが、NW-ZX2との組み合わせでLDACを聴ける環境が整えられていたため、無茶を承知でSRS-X99とSRS-X88のボリュームをめいっぱい上げて、実際にZX2との組み合わせで96kHz/24bitのハイレゾ音源を再生してみた。この環境でLDACとSBCで切り替えてみても、違いが分かるほどの高音質ぶり。特に中高域がクリアに伸び、シンバルの音をきちっと鳴らしてくれるのは、スピーカーのリスニングでもはっきりとわかった。また低音の歯切れよさも大きく向上した。LDACはBluetoothスピーカーのクオリティ向上という点からも有力なものとなることは間違いない。
その他のLDAC対応モデルとしては、会場内で実際に音を聴ける環境にはなかったがサウンドバーの「HT-ST9」、バースピーカーとサブウーファーによる2.1chシステム「HT-NT3」、台座型の「HT-XT3」といったシアタースピーカーも登場することが分かった。説明によると「LDAC対応サウンドバーは、再生するスピーカーということはもちろん、他のLDAC対応スピーカーを再生するホストとしての機能も持っている」(大庭氏)という。ワイヤレスオーディオの拡張性も考えられそうだ。
CESで初めて披露された、ソニーのウォークマン最上位機、NW-ZX2とLDAC。ハイレゾの定義上、“Bluetoothでハイレゾ”と呼べるかどうかは不明だが、モバイル・ポータブルのワイヤレス環境で、ハイレゾ水準の音質を実現できる伝送手段となることは間違いない。2015年のワイヤレスオーディオ界隈の台風の目となりそうだ。