スカパー!「4Kメディアセッション」
4K放送の魅力と課題、今後の具体的施策とは? スカパー!社長らが会見
■4Kに「視聴者は必ずついてくる」
社長の高田氏は、東芝REGZAやソニーBRAVIAなどスカパー!4K対応チューナー内蔵テレビが登場しつつあることなどに触れながら、「ハードもソフトも揃ってきて、いよいよ4K時代の到来かということを実感いただけるのではないか」とコメント。「放送業界には、カラー化、ハイビジョン化、デジタル化などいろいろな革新があった。放送業界に40年くらい携わっているが、ビジュアル面がキレイだということについて、視聴者は必ずついてくると経験上学んでいる」と述べ、4Kの高画質、高精細が必ず受け入れられるものであるとする。
そして放送の高度化の方向性について、「新たな技術、特に圧縮技術に対応してより良いサービスに格上げしていくことを睨んだロードマップが必要だろう」とコメント。
特に、今後は現在利用されている右旋円偏波ではなく、左旋円偏波の活用を検討していく点について、「ゼロからの構築になるが、これを難しいからと放っておいてはいけない。アンテナの普及などは時間がかかる。受信環境面でもロードマップでしっかり描いて、ちゃんと環境を整えていくことが大切だ。オールジャパンで取り組んでいく必要があるだろう」とした。
なお、左旋円偏波利用の受信環境を整備するスパンについては、「できるだけ早くとは思うが、10年スパンでは難しいだろう。ロードマップ策定の際には2030年を超えたくらいのレンジで方向性を出して頂ければと思う。BSの左旋が上がるのが2018年くらいと聞いているので、そこからゼロスタートだ」と述べた。
また、「4Kや8Kは、衛星やIPで語られることが多いが、日本でのコンテンツは地上波が強い。地上波での4K8K化が進むために、『投資をしていけば必ず報われる』というインセンティブを見える形にして、投資意欲を増していかなければ放送の高度化は進まないのではないか」と語った。
そのほか、会見にはスカパー!4K対応テレビの新モデルを先ごろ発表した(関連ニュース)ソニーから、ソニーマーケティング ホームエンタテインメントプロダクツマーケティング部 ディスプレイMK課 統括課長の白拍子誠一氏も出席。同社製品がスカパー!4Kの魅力をしっかり表現できるものであるとアピールした。
また、46型以上の大型テレビ購入者について、2014年は4人に1人が4K対応モデルを選択していたが、この構成比が2015年には2人に1人に伸びると予測していることを紹介。2014年度には国内の4Kテレビ市場で台数・金額ともにソニーがナンバーワンシェアを獲得したことにも触れながら、「4Kテレビのリーディングメーカーとして今後も業界を引っ張っていきたい。放送事業者さんたちとも一緒に、素晴らしいコンテンツの臨場感や感動を、4Kブラビアでしっかりとお客様にお伝えしていきたい」と述べた。
また、スカパーは局内の放送設備もメディアに公開。4K番組制作に使用している「プレイアウトマスタールーム」などの様子を披露した。その模様を以下にレポートする。