「ハイレゾ+フルHD」iVソフト制作も可能に
iVDRがハイレゾに対応。マクセルがiVプレーヤーを8月にアップデート対応
iVDRコンソーシアムは、カセット型HDD「iVDR」の最新動向を紹介する「iVDR EXPO 2015」を開催。ハイレゾに対応した最新規格「iVDR TV Recording規格Ver. 2.40」を発表し、あわせて、日立マクセルがiVDRプレーヤー「iV Play」を8月より同規格に対応させるアップデートを行うと発表するなどした。
■映像とハイレゾのマルチch音声を組み合わせることが可能に
「iVDR TV Recording規格Ver. 2.40」では、5.1ch時に192kHz/24bit、7.1ch時で96KHz/24bitのオーディオ信号の記録を正式にサポート。映像信号も従来(Ver.2.36)はMPEG2/H.264 最大24Mbpsまでの対応だったところを、新たに最大40Mbps対応へとした。
この規格拡張により、iVDRカセットに保存したハイレゾ音源をiVDRプレーヤーで再生できるようになるほか、「2K映像+ハイレゾオーディオ」コンテンツに対応。例えば、マルチチャンネルのハイレゾ音源とフルHD映像を組み合わせたiVDRソフトなどをソフトメーカーが制作、販売できるようになった。なお、iVDRが採用するコンテンツ保護技術「SAFIA」も上記規格をサポートしている。
会場では、ハイレゾ対応iVDRデモコンテンツとして192kHz/24bit、5.1ch音声とフルHD映像で収録した「喜多郎・ライブ・イン・薬師寺」や、ナクソス・ジャパンのハイレゾ新録プロジェクト「Monster Master」とJP映像制作によるフルHD映像を組み合わせたコンテンツなどを上映。実際の映像ソフトとしての活用例を示していた。
iVDRコンソーシアム理事長の助田裕史氏は、光ディスクなど容量が限られたメディアにハイレゾコンテンツを収録しようとすると、ビットレート調整/オーサリング処理といった“職人技”に頼らなくてはいけないと説明。大容量のiVDRがハイレゾに正式対応したことで、そうした職人技に頼ることなく長尺のハイレゾコンテンツを利用できるようになるとメリットをアピールする。
なお、従来の規格に沿って制作されたコンテンツと新規格コンテンツのハイブリッド構成も可能。コンテンツ収録に必要な容量は、新規格コンテンツのみの場合は1時間あたり20GBで、ハイブリッドコンテンツの場合は1時間あたり30GB。
この規格拡張に伴い、上記のように、日立マクセルは昨年12月に発売したiVDRプレーヤー“iV Play”「VDR-P300」(関連ニュース)を8月のアップデートで同規格に対応させることを発表。同製品をAVアンプなどにHDMIケーブルで接続するだけで、iVDRカセットに保存されたハイレゾコンテンツを楽しめるようになる。
会場ではさらに、音楽配信サイトなどで購入したハイレゾ音源をiVDRカセットに保存して楽しめるソリューションもデモ。ハイレゾ音源をiVDRメディアに転送したり、ハイレゾ音源と写真を組み合わせて高音質なスライドショーファイルを作成することなどができるPCソフトをペガシスが参考展示していた。
また、アイ・オー・データはスマートフォンでiVDR-Sコンテンツを活用できるネットワークメディアサーバー「RECBOX + REMOTE iVDR版」を参考出展。iVDR-Sコンテンツを、DTCP-IPおよびDTCP+で宅内/宅外問わず視聴可能にできることを紹介するとともに、リアルタイムトランスコーダーも搭載しているため、TS(DR)モードで録画されたコンテンツでもスマホやタブレットで視聴できるとした。
■iVDRは『デジタル時代の大容量カセット』
なお、昨年の本イベントでは4K対応を大きくアピールしていたが(関連ニュース)、助田氏は「今回は、映像だけでなくオーディオの高品質化にも注目しようという意図だ」とコメント。書替可能メディア向けの4K映像コンテンツの保護方式が世の中ではまだ定まっていないため、「2K映像+ハイレゾオーディオ」対応の規格を今回新たに準備したと説明した。
また、AVコンテンツを取り巻く環境について、USB-HDDに録画したものを視聴してすぐに消す“見て消し”やネットでのストリーミング視聴などが増えていると紹介。保存して繰り返し視聴するニーズが弱まっているとする。
そして、この“繰り返し視聴ニーズ”に着目した際に、音楽は元来「繰り返し聴く」欲求の強い対象であり,ハイレゾ化すれば臨場感も含めコンテンツとしての魅力を更に増すことが可能ではないかと考えたと説明。実は従来からiVDRプラットフォームはハイレゾ音声にも対応可能であったため、映像と組み合わせることもできる今回の規格拡張を行ったという。
助田氏はまた、アイ・オー・データとペガシスの参考出展品によって、ユーザー自身が購入したハイレゾ音源をiVDRに保存しておくことも可能になる点にも言及。そのiVDRカセットを利用することで、PCレスでハイレゾをカジュアルに楽しむこともできるようになるとメリットをアピールした。
加えて、iVDRは“見て触ることができる”分かりやすい媒体であるとも紹介。カセットテープは現在も国内だけで年間2,000万本が販売されているというデータも紹介し、「テープのように見て触ることができる媒体の魅力はまだある。ダウンロードコンテンツの収納に適していて、かつ、ハンドリングしやすいカセットテープのような分かりやすさがある」(助田氏)とする。
そして「繰り返し視聴」ニーズのある高品質コンテンツをクラウドからダウンロードし、メディアとしてのiVDRに格納するソリューションによって、“分かりやすさ”でコンテンツ消費への貢献を行えると紹介。iVDRは『デジタル時代の大容量カセット』であるとアピールした。
なお、今後の規格化のロードマップについては、4K映像とハイレゾ音源の組み合わせ、8K映像、リニアPCM以外のハイレゾ音源などへの対応などといった点を視野に入れつつ、業界の合意形成に合わせて推進するとする。
特にオーディオ面について助田氏は「我々が細かいところまで決めてしまって、それに外れたら使えないということではビジネスにとって阻害要因になりかねない。新たなオーディオコンテンツ事業にご利用いただける枠組みの実現を目指す」とコメント。「スペックというよりは、もう少しゆるく、ガイドラインくらいにして議論のベースにしていきたい」と続けた。
■映像とハイレゾのマルチch音声を組み合わせることが可能に
「iVDR TV Recording規格Ver. 2.40」では、5.1ch時に192kHz/24bit、7.1ch時で96KHz/24bitのオーディオ信号の記録を正式にサポート。映像信号も従来(Ver.2.36)はMPEG2/H.264 最大24Mbpsまでの対応だったところを、新たに最大40Mbps対応へとした。
この規格拡張により、iVDRカセットに保存したハイレゾ音源をiVDRプレーヤーで再生できるようになるほか、「2K映像+ハイレゾオーディオ」コンテンツに対応。例えば、マルチチャンネルのハイレゾ音源とフルHD映像を組み合わせたiVDRソフトなどをソフトメーカーが制作、販売できるようになった。なお、iVDRが採用するコンテンツ保護技術「SAFIA」も上記規格をサポートしている。
会場では、ハイレゾ対応iVDRデモコンテンツとして192kHz/24bit、5.1ch音声とフルHD映像で収録した「喜多郎・ライブ・イン・薬師寺」や、ナクソス・ジャパンのハイレゾ新録プロジェクト「Monster Master」とJP映像制作によるフルHD映像を組み合わせたコンテンツなどを上映。実際の映像ソフトとしての活用例を示していた。
iVDRコンソーシアム理事長の助田裕史氏は、光ディスクなど容量が限られたメディアにハイレゾコンテンツを収録しようとすると、ビットレート調整/オーサリング処理といった“職人技”に頼らなくてはいけないと説明。大容量のiVDRがハイレゾに正式対応したことで、そうした職人技に頼ることなく長尺のハイレゾコンテンツを利用できるようになるとメリットをアピールする。
なお、従来の規格に沿って制作されたコンテンツと新規格コンテンツのハイブリッド構成も可能。コンテンツ収録に必要な容量は、新規格コンテンツのみの場合は1時間あたり20GBで、ハイブリッドコンテンツの場合は1時間あたり30GB。
この規格拡張に伴い、上記のように、日立マクセルは昨年12月に発売したiVDRプレーヤー“iV Play”「VDR-P300」(関連ニュース)を8月のアップデートで同規格に対応させることを発表。同製品をAVアンプなどにHDMIケーブルで接続するだけで、iVDRカセットに保存されたハイレゾコンテンツを楽しめるようになる。
会場ではさらに、音楽配信サイトなどで購入したハイレゾ音源をiVDRカセットに保存して楽しめるソリューションもデモ。ハイレゾ音源をiVDRメディアに転送したり、ハイレゾ音源と写真を組み合わせて高音質なスライドショーファイルを作成することなどができるPCソフトをペガシスが参考展示していた。
また、アイ・オー・データはスマートフォンでiVDR-Sコンテンツを活用できるネットワークメディアサーバー「RECBOX + REMOTE iVDR版」を参考出展。iVDR-Sコンテンツを、DTCP-IPおよびDTCP+で宅内/宅外問わず視聴可能にできることを紹介するとともに、リアルタイムトランスコーダーも搭載しているため、TS(DR)モードで録画されたコンテンツでもスマホやタブレットで視聴できるとした。
■iVDRは『デジタル時代の大容量カセット』
なお、昨年の本イベントでは4K対応を大きくアピールしていたが(関連ニュース)、助田氏は「今回は、映像だけでなくオーディオの高品質化にも注目しようという意図だ」とコメント。書替可能メディア向けの4K映像コンテンツの保護方式が世の中ではまだ定まっていないため、「2K映像+ハイレゾオーディオ」対応の規格を今回新たに準備したと説明した。
また、AVコンテンツを取り巻く環境について、USB-HDDに録画したものを視聴してすぐに消す“見て消し”やネットでのストリーミング視聴などが増えていると紹介。保存して繰り返し視聴するニーズが弱まっているとする。
そして、この“繰り返し視聴ニーズ”に着目した際に、音楽は元来「繰り返し聴く」欲求の強い対象であり,ハイレゾ化すれば臨場感も含めコンテンツとしての魅力を更に増すことが可能ではないかと考えたと説明。実は従来からiVDRプラットフォームはハイレゾ音声にも対応可能であったため、映像と組み合わせることもできる今回の規格拡張を行ったという。
助田氏はまた、アイ・オー・データとペガシスの参考出展品によって、ユーザー自身が購入したハイレゾ音源をiVDRに保存しておくことも可能になる点にも言及。そのiVDRカセットを利用することで、PCレスでハイレゾをカジュアルに楽しむこともできるようになるとメリットをアピールした。
加えて、iVDRは“見て触ることができる”分かりやすい媒体であるとも紹介。カセットテープは現在も国内だけで年間2,000万本が販売されているというデータも紹介し、「テープのように見て触ることができる媒体の魅力はまだある。ダウンロードコンテンツの収納に適していて、かつ、ハンドリングしやすいカセットテープのような分かりやすさがある」(助田氏)とする。
そして「繰り返し視聴」ニーズのある高品質コンテンツをクラウドからダウンロードし、メディアとしてのiVDRに格納するソリューションによって、“分かりやすさ”でコンテンツ消費への貢献を行えると紹介。iVDRは『デジタル時代の大容量カセット』であるとアピールした。
なお、今後の規格化のロードマップについては、4K映像とハイレゾ音源の組み合わせ、8K映像、リニアPCM以外のハイレゾ音源などへの対応などといった点を視野に入れつつ、業界の合意形成に合わせて推進するとする。
特にオーディオ面について助田氏は「我々が細かいところまで決めてしまって、それに外れたら使えないということではビジネスにとって阻害要因になりかねない。新たなオーディオコンテンツ事業にご利用いただける枠組みの実現を目指す」とコメント。「スペックというよりは、もう少しゆるく、ガイドラインくらいにして議論のベースにしていきたい」と続けた。