デノン最上位AVアンプ「AVR-X7200WA」でデモ
「DTS:X」スペシャルイベントレポート。ついに登場した新規格の全貌を読者が体験!
■DTS:Xとお好み焼きは似ている??
続いて、いよいよDTS:Xの説明に移った黒川氏。黒川氏は冒頭、お好み焼きの写真を見せ、いろいろな具材を組み合わせるところが、DTS:Xのオブジェクトベースオーディオに似ていると説明しました。
オブジェクトオーディオは、音を一つ一つのオブジェクトとして捉え、それに対してボリュームやパンニング、XYZ軸のアジマス、ダイアログコントロール、タイムコードなどのデータを付加し、それぞれのオブジェクトを組み合わせてレンダリングし、スピーカーへマッピングすることで、最終的なサウンドを出力します。
黒川氏はこのオブジェクトオーディオについて、「実は新しいものではない」と紹介。以前からゲームの世界ではすでに使用されているもので、これを映画館やホームAVに応用したものであると説明しました。
さて、DTS:Xの構成は、コア部分と二つのエクステンション部分に分かれています。コア部分はDTS Digital Surroundで、まずDTSストリームの土台として、コーディングされます。それにHDエクステンション部分(例えば、ロスレス部分)を加えることでDTS-HD Master Audioに対応、更にXエクステンション部分(例えば、オブジェクト部分)を加えることで、DTS:Xに対応させることもできます。これによって、DTS:Xストリームであっても、これまでのDTS Digital SurroundもしくはDTS-HD Master Audio対応機器でも再生できる下位互換性が保たれます。
また黒川氏が強調したのが、DTS:Xでは特にスピーカー配置に規定がなく、自由であるということ。たとえば天井にスピーカーを設置できない場合でもDTS:Xのイマーシブなサウンドを体験することが可能です。
DTS:Xを収録したBlu-rayソフトは、今回のイベントで紹介した「クリムゾン・ピーク」のほか、6月24日にはUltra HD Blu-ray「インデペンデンス・デイ」、7月6日には「マネー・ショート」など続々登場する予定です。ぜひ期待して欲しいと黒川氏は述べ、プレゼンを締めくくりました。
■「クリムゾン・ピーク」のみどころとは?
続いて、ユニバーサルの広報を担当している千早氏が「クリムゾン・ピーク」のソフト紹介を行いました。
千早氏は「この時期にはホラー作品がたくさん出てきますが、本作はその中でもトップバッター。そして、DTS:X対応作品としてもトップバッター。私はなんでも一番というのが好きで、本作が初めてのDTS:X対応ソフトと知ったときは『これはやった!』と嬉しかった」と率直な印象を語りました。
制作陣やキャストも豪華。まず監督は『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ。実力派監督だけに内容はしっかりしています。また千早氏は、主演俳優のトム・ヒドルストン氏を「すごいイケメン俳優」とべた褒め。「次のジェームズ・ボンドになる可能性が高い俳優で、いまからチェックしておくと良いと思います!」と劇押ししていました。
またクリムゾン・ピークにBlu-rayとDVDがともに入っていることに触れ、「みなさんはBlu-rayをご覧になると思いますが、DVDを車の中などに入れておけば、子供の買い物を待っているときに見られて便利ですよ」と実感のこもった使い方を紹介し、来場者の笑いを誘っていました。