FiiO副社長が製品開発について語った
FiiO、ネットワーク機能充実のDAP「M9」を披露。DAC内蔵ヘッドホンアンプ「K3」も初公開
エミライは、同社が取り扱うFiiOの新製品についてメディア向け発表会を開催。25日に発表したDAP “Mシリーズ”の新モデル「M9」(関連ニュース)を披露すると共に、USB-DAC内蔵のデスクトップ用ヘッドホンアンプ「K3」を初公開した。
M9は先立って発売された「M7」の上位モデルという位置づけで、M7の基本性能に加え高品質なワイヤレスオーディオをコンセプトに据えたDAP。Bluetooth 4.2に準拠し、aptX HD、LDAC、aptXなど主要なオーディオ向けコーデックに対応する他、ファーウェイ等が推進している高音質コーデック「HWA」にも対応する。Wi-FiやDLNAもサポートしており、音楽ストリーミングサービスへの親和性も高めたとする。
DACは旭化成エレクトロニクスの「AK4490EN」をデュアル構成で搭載。ダイナミックレンジの拡大、歪率の低減、セパレーションの向上などを狙っている。また、DSD音源のデコーディング専用としてFPGAを搭載し、クロックも44.1kHz/48kHzの2系統を使い分けることでジッター低減を図っている。
デジタル回路にはM7から引き続き多層基板を採用。信号伝送の短縮化や効率化を図り、M7の6層から8層へさらに基板密度を高めている。アナログ回路も、音質に定評のあるOPA1612、OPA1622などのオペアンプを採用し、ディファレンシャル回路として設計。3.5/2.5mmのヘッドホン出力から、最大77mW(300Ω)の信号出力が可能となっている。
連続再生時間は約10時間。また、低消費電力のSamsung製SoC「Exynos 7270」採用など消費電力を抑える設計のため、最長で45日間、電源をいれたまま待機させておくこともできるという。USB端子はType-Cを採用し、充電やデジタル出力として使用可能。USB-DAC機能も備え、PCMは384kHz/32bit、DSDは5.6MHzまで再生に対応する。
OSはM7と同様のカスタマイズされたAndroidを採用するが、M9のOSではSportify、Deezer、Roonなどといったストリーミングサービスの再生アプリがインストール可能となっている。インストール手順は通常のAndroidと異なり、FiiO公式サイトに用意されたM9専用のアプリデータをPC経由で内蔵メモリーまたはmicroSDに格納し、M9本体で読み取ってインストールする形式となる。
K3はUSBバスパワーで動作するバッテリー非内蔵型のUSB--DAC/ヘッドホンアンプ。発売時期/価格は未定だが、直販から取り扱いをスタートする予定としている。なお、デザインは正式発売までに変更される可能性があるとのこと。
旭化成のオーディオグレードDACチップ「AK4452」を採用すると同時に、駆動回路とローパスフィルター回路には特注仕様のオペアンプ「OPA926」「OPA1612」を採用し、作り込んでいる。
出力端子は前面に3.5mm/2.5mmのヘッドホン端子と、背面にライン端子を搭載。光/同軸デジタル出力も搭載するため、D/Dコンバーターとしても使用できる。前面にはゲインや低域ブーストの切り替えスイッチも備え、ボリュームは電子制御のADC volume controlを採用することでギャングエラーを防止する。
さらにユニークな機能として、USBオーディオクラスを1.0/2.0で切り替えるスイッチが背面に搭載されている。これにより、ドライバーインストールの作業を経ずともほとんどのPCで動作するUSBオーディオクラス1.0モードと、ドライバーを介することで高サンプリングレートの音源まで再生できるUSBオーディオクラス2.0モードを自由に選択することができる。
発表会には、FiiO設立者の1人で技術面の責任者も務める同社副社長 キーン・チャン氏も出席し、製品の開発にまつわるエピソードを語った。
まずM9に関しては、「M7よりさらに小さくスリムで、多機能なプレーヤー」「M7よりさらにアップグレードされた、プロにも通用する音質」というFiiOユーザーからの要望をフィードバックし、そこにワイヤレスオーディオというコンセプトを加えた製品と述べた。設計はM7をベースに行ったが、新しく搭載したWi-Fiの電磁ノイズ対策、オーディオ機器では採用例がないSoC「Exynos 7270」のパフォーマンスを引き出すソフトウェア設計に苦心したという。
K3に関しては、自宅やカフェなどで仕事をする機会の増えたユーザーが、そうした場所で使えるオーディオ機器を求めたことが開発に繋がったと話す。デジタルアウトを搭載することでモニタースピーカーや既存のオーディオシステムとも接続可能とし、ポータブルオーディオを主体に開発してきた同社のノウハウも活かしたサイズ感として、「小さなミュージックセンター」として機能することを狙ったという。
USBオーディオクラス1.0に対応する製品の開発は同社で初めてだったとのことで、その実装やPCとの動作確認が困難だったという。電源回路も、USBからノイズをカットしつつ電源を取る設計に苦心したそうだ。
どちらの製品も、ユーザーからの要望や意見をフィードバックして企画されていたことが語られており、ユーザに寄り添ったブランドであることが強調されていた。
なお、現在展開中のMシリーズと、「FiiO X7 MarkII」「FiiO X3 MarkIII」などこれまで基幹製品として発売されてきた“Xシリーズ”との関係についても、キーン氏から明確な説明がされた。
Xシリーズは3回の世代交代を経て約5年間継続してきたが、その間ユーザーから寄せられる要望は幅広く、かつ特化した性能を求めて変化し、Xシリーズの3シリーズ展開ではカバーしきれなくなってしまったのだという。
そのため、今後XシリーズはMシリーズへ置き換えていき、ユーザーのニーズに応えられる細分化した製品展開を進めていく方針としている。現在は手頃な価格の2モデルのみラインナップしているMシリーズにも、音質を追求した“ハイパフォーマンスモデル”を追加するべく開発に取り組んでいるとのことだ。
M9は先立って発売された「M7」の上位モデルという位置づけで、M7の基本性能に加え高品質なワイヤレスオーディオをコンセプトに据えたDAP。Bluetooth 4.2に準拠し、aptX HD、LDAC、aptXなど主要なオーディオ向けコーデックに対応する他、ファーウェイ等が推進している高音質コーデック「HWA」にも対応する。Wi-FiやDLNAもサポートしており、音楽ストリーミングサービスへの親和性も高めたとする。
DACは旭化成エレクトロニクスの「AK4490EN」をデュアル構成で搭載。ダイナミックレンジの拡大、歪率の低減、セパレーションの向上などを狙っている。また、DSD音源のデコーディング専用としてFPGAを搭載し、クロックも44.1kHz/48kHzの2系統を使い分けることでジッター低減を図っている。
デジタル回路にはM7から引き続き多層基板を採用。信号伝送の短縮化や効率化を図り、M7の6層から8層へさらに基板密度を高めている。アナログ回路も、音質に定評のあるOPA1612、OPA1622などのオペアンプを採用し、ディファレンシャル回路として設計。3.5/2.5mmのヘッドホン出力から、最大77mW(300Ω)の信号出力が可能となっている。
連続再生時間は約10時間。また、低消費電力のSamsung製SoC「Exynos 7270」採用など消費電力を抑える設計のため、最長で45日間、電源をいれたまま待機させておくこともできるという。USB端子はType-Cを採用し、充電やデジタル出力として使用可能。USB-DAC機能も備え、PCMは384kHz/32bit、DSDは5.6MHzまで再生に対応する。
OSはM7と同様のカスタマイズされたAndroidを採用するが、M9のOSではSportify、Deezer、Roonなどといったストリーミングサービスの再生アプリがインストール可能となっている。インストール手順は通常のAndroidと異なり、FiiO公式サイトに用意されたM9専用のアプリデータをPC経由で内蔵メモリーまたはmicroSDに格納し、M9本体で読み取ってインストールする形式となる。
K3はUSBバスパワーで動作するバッテリー非内蔵型のUSB--DAC/ヘッドホンアンプ。発売時期/価格は未定だが、直販から取り扱いをスタートする予定としている。なお、デザインは正式発売までに変更される可能性があるとのこと。
旭化成のオーディオグレードDACチップ「AK4452」を採用すると同時に、駆動回路とローパスフィルター回路には特注仕様のオペアンプ「OPA926」「OPA1612」を採用し、作り込んでいる。
出力端子は前面に3.5mm/2.5mmのヘッドホン端子と、背面にライン端子を搭載。光/同軸デジタル出力も搭載するため、D/Dコンバーターとしても使用できる。前面にはゲインや低域ブーストの切り替えスイッチも備え、ボリュームは電子制御のADC volume controlを採用することでギャングエラーを防止する。
さらにユニークな機能として、USBオーディオクラスを1.0/2.0で切り替えるスイッチが背面に搭載されている。これにより、ドライバーインストールの作業を経ずともほとんどのPCで動作するUSBオーディオクラス1.0モードと、ドライバーを介することで高サンプリングレートの音源まで再生できるUSBオーディオクラス2.0モードを自由に選択することができる。
発表会には、FiiO設立者の1人で技術面の責任者も務める同社副社長 キーン・チャン氏も出席し、製品の開発にまつわるエピソードを語った。
まずM9に関しては、「M7よりさらに小さくスリムで、多機能なプレーヤー」「M7よりさらにアップグレードされた、プロにも通用する音質」というFiiOユーザーからの要望をフィードバックし、そこにワイヤレスオーディオというコンセプトを加えた製品と述べた。設計はM7をベースに行ったが、新しく搭載したWi-Fiの電磁ノイズ対策、オーディオ機器では採用例がないSoC「Exynos 7270」のパフォーマンスを引き出すソフトウェア設計に苦心したという。
K3に関しては、自宅やカフェなどで仕事をする機会の増えたユーザーが、そうした場所で使えるオーディオ機器を求めたことが開発に繋がったと話す。デジタルアウトを搭載することでモニタースピーカーや既存のオーディオシステムとも接続可能とし、ポータブルオーディオを主体に開発してきた同社のノウハウも活かしたサイズ感として、「小さなミュージックセンター」として機能することを狙ったという。
USBオーディオクラス1.0に対応する製品の開発は同社で初めてだったとのことで、その実装やPCとの動作確認が困難だったという。電源回路も、USBからノイズをカットしつつ電源を取る設計に苦心したそうだ。
どちらの製品も、ユーザーからの要望や意見をフィードバックして企画されていたことが語られており、ユーザに寄り添ったブランドであることが強調されていた。
なお、現在展開中のMシリーズと、「FiiO X7 MarkII」「FiiO X3 MarkIII」などこれまで基幹製品として発売されてきた“Xシリーズ”との関係についても、キーン氏から明確な説明がされた。
Xシリーズは3回の世代交代を経て約5年間継続してきたが、その間ユーザーから寄せられる要望は幅広く、かつ特化した性能を求めて変化し、Xシリーズの3シリーズ展開ではカバーしきれなくなってしまったのだという。
そのため、今後XシリーズはMシリーズへ置き換えていき、ユーザーのニーズに応えられる細分化した製品展開を進めていく方針としている。現在は手頃な価格の2モデルのみラインナップしているMシリーズにも、音質を追求した“ハイパフォーマンスモデル”を追加するべく開発に取り組んでいるとのことだ。