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“最強クラス”映画館、11月23日いよいよオープン

国内初!“最強クラス”映画館・ドルビーシネマが「T・ジョイ博多」にオープン。その実力を早速体験

公開日 2018/11/21 16:05 永井光晴
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ドルビーシネマはスクリーンサイズやスピーカーの数に決まりがない

ドルビーシネマ館のスクリーンサイズやスピーカー数などは劇場によって異なり、T・ジョイ博多では公開していない。ドルビージャパンの中山氏によると、「ドルビーシネマでは、スクリーンサイズに規定はない」とし、「スクリーンサイズに依らない最高品質の映像を実現する」と語っており、スーパー大画面を志すIMAX上映との大きな違いがここにある。

ドルビージャパン株式会社・シネマ&コンテンツソリューション部・部長の尾崎卓也氏(左)、ドルビージャパン株式会社・マーケティングジャパン・ディレクターの中山郁夫氏(右)

しかし、各映画館興行会社の目玉施設となるドルビーシネマを、わざわざ小さいスクリーンで作るはずもない。実際、T・ジョイ博多の348席に対して、そのスクリーンサイズはかなり大きく感じる。

百聞は一見に如かず、まずはドルビーシネマ作品の上映前に流れるトレーラー映像「Universe(ユニバース)」をご覧いただこう。あくまでもイメージであり、実際のドルビーシネマの実力はぜひ映画館で体験していただきたい。特にHDRによる黒の締まり方は、周囲の視聴環境に左右されるうえ、バックライトや自発光のディスプレイでこれを観ても、投射型プロジェクターとはまったく異なるもの。ドルビーシネマの解説ビデオとして受け止めてもらいたい。

さて、映像でお分かりいただけただろうか。簡単に言うと、ドルビーシネマは3つの要素で成り立つ。(1)ドルビービジョンと(2)ドルビーアトモスといった最新再生技術を採用し、(3)シアターデザイン(インテリアカラー、空間デザイン、座席アレンジメント)が一体となって、アクションやストーリーをより豊かに観客に届け、完全に映画の中にいるような感覚を味わえるものだ。

最新のHDR技術と、通常の2倍の明るさのプロジェクターで再現性を高める

もっとも注目されるのは、最先端の映像技術・ドルビービジョンである。HDR(High Dynamic Range)技術を活用したもので、従来のSDRに比べて、より広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現できる表示技術である。UHD Blu-rayでは標準の「HDR10」方式に加えて、ドルビービジョンはオプション規格となっている。

ドルビーシネマでは、ハイコントラストで、明るいところも暗いところも細かい階調をもって、深いディテール、そして広い色域まで再現でき、かつ今までの2倍以上の輝度を持ったプロジェクションを採用している。

使用するのは、クリスティー社のレーザープロジェクターを2台。それをプリズムで集光して投射する。カラーホイールを使用しないので、ジッターやカラーブレイキングが存在しない。また3Dのときは、ドルビーシネマ3D方式となる(専用メガネは貸出返却する)。

3Dは専用メガネで視聴

明るさは31ftL(フットランバーツ)/108nits(ニッツ)である。通常のデジタルシネマが14ftL/48nitsなので、その倍以上の性能ということになる。また3D上映では左右の映像に振り分けられるため、明るさは半分(3D上映時で14ftL)になる。

ここで聞き慣れない言葉の単位が出てきた。「フット(フィート)・ランバーツ=ftL」と呼ばれるものである。これは、映画業界において1フィート×1フィートのエリアで映画のスクリーンからどれくらいの光を反射すべきかを指定する単位だ。暗い映画館では通常16ftLが推奨されているが、明るい部屋ではより良好なコントラストを維持することが不可欠となる。

環境光のレベルが中程度の環境では40ftL、環境光が多い環境では60ftLの全輝度が推奨されるが、環境光がコントロールされた暗室では、より明るい値で、目に強く刺激的な光となる。経験豊富な鑑賞者で、全輝度が12〜20ftLが標準なので、それと比べてもドルビーシネマの基準は明るい。

また「nit」はHDR技術のテレビでもよく使われる輝度単位である。1nitは1cd(カンデラ)/m2、つまり、1平方メートルの面積をムラなく1cdの明るさで光る輝度のことである。間違えてはいけないのは、これら視聴輝度は周囲の明るさに左右されるため、単純にテレビのカタログスペックと比較してはならない。

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