“全部入り”の最上位機
鈴木桂水が「ウォークマンX1000」を全方位テスト − 超一流の画音質と充実の機能
■地下鉄の車内で旧機種と新機種のNC機能を比較テスト!
その実力を試すべく地下鉄の車内で、従来機のA820シリーズと、Xシリーズのノイズキャンセリング機能を比較した。Xシリーズのノイズキャンセリングには電車・バス/ 航空機/ 室内の3モードがあるので、今回は電車・バスモードでテストを行っている。
筆者の最初の印象では音楽再生時のNC効果に大きな差はないように感じたが、音楽を聴き込むほどに、Xシリーズの方が自然に雑音をカットしていると思えてきて、心地よく使えた。
NC機能というとBOSEのQuietComfortシリーズのように、不自然なまでに周囲の音を消すタイプと、サッシを閉じた程度にノイズを軽減するタイプがあるが、本機は後者だ。NCの効果は好みがあり、筆者は自然に周囲の雑音が小さくなるほうが自然だと感じている。ただし効果はしっかりしたもので、「室内」モードでパソコン作業をするとファンノイズがまったく聞こえないほど静かになる。本機には音楽を聴かずにNC機能だけを利用できる「サイレント」モードも用意されている。飛行機などで読書する場合などに重宝しそうだ。
さらに別売の録音ケーブルWMC-NWR1を使うと、本機にDVDプレーヤーやゲーム機を接続し、その音声をNC機能で利用できる。いわば本機をNCヘッドホンとしても利用できる。ヘッドホンは13.5mm径ドライバーユニットを搭載した高音質タイプが付属している。
A820シリーズとXシリーズで音質を比べると、明らかにXシリーズの方が高音質で、その差の大きさに驚く。やはりデジタルアンプの効果とデジタルNCによる正確なノイズ軽減が高音質につながっているようだ。印象としては音の輪郭がハッキリしており、細かな音もしっかりと再生する。ロックならベースの微妙なうねり、ハイハットの細かな振動が確認できる。管楽器系のジャズでも、アルトサックスなどの高音に艶を感じる。とにかく各パートの存在が明確で気持ちいい。イコライザー機能も備えており、ロック、クラシック、ジャズなどジャンルを問わず解像感のある再生が楽しめる。