“全部入り”の最上位機
鈴木桂水が「ウォークマンX1000」を全方位テスト − 超一流の画音質と充実の機能
■ユーザーインターフェースは改善の余地アリ
ただ喜んだのもつかの間、残念なことに画質、音質ともにハードは超一流なのだが、ユーザーインターフェイスだけはそうではなかった。まるで別の製品のUIを搭載しているようで使いづらいのだ。
例えばワンセグ、おでかけ転送、YouTubeなどの動画は全て横表示になっている。A820などはユーザーの使い勝手を考えて右表示、左表示の切り替えができたのだが、今回は「SONY」のロゴを左側にした状態での横表示しかできない。一番困ったのは全ての動画表示は“ヨコ”なのに、録画番組やYouTubeのリスト表示はSONYを上にした“タテ”表示にしか対応していない。
これがどう不便かというと、リストで見たい番組を再生しながら探す場合「タテ」→「ヨコ」→「タテ」…とえんえん本体を90°回転させなければならない。じつは筆者は、おでかけ転送に最初に対応したウォークマンA820のユーザーだが、これがまったく同じ仕様で、あまりの不便さに閉口し、レビューなどで触れたこともある。それだけでは気がすまず、インタビューなどウォークマン関係者にお会いしたときは、折に触れ話題にしたものだった。
これにはユーザーからの指摘もあったようで、その後発売されたS730Fシリーズ、S730FKシリーズ、S630Fシリーズ、S630FKシリーズでは、ヨコ表示の場合は、リストもヨコになるように改善されていたのだが、新モデルで突然、先祖返りをしてしまった。発表会でXシリーズのリスト表示を試したときには、心の中で「な〜にぃ〜、やっちまっなっ!」と。お笑いコンビ「クールポコ」のように叫んでしまった。
もう一つ気になるのがヨコ表示での音量操作だ。本機の音量はシーソーボタンで、SONYを上にして表示したとき、上方向が音量は+になり、下方向で−になる。しかし、これをヨコ表示にすると音量を示すバー表示は+操作で、右側へ進むのに、ボタンは表示とは反対側の左側を押すことになる。この操作に違和感を感じた。
タッチスクリーンの操作デモ