“全部入り”の最上位機
鈴木桂水が「ウォークマンX1000」を全方位テスト − 超一流の画音質と充実の機能
■ワンセグ機能、お出かけ転送の使い勝手は?
次は動画機能だ。本体にワンセグチューナーを搭載しており、視聴と録画・再生が可能。ワンセグ用のアンテナは本体にも内蔵されているが、付属のケーブルアンテナを本体とヘッドホンの間に差し込むことで、ワンセグ携帯手程度の感度で移動中も受信できる。
付属アンテナの効果は抜群で、山手線でテストしたところ、本体だけでは駅に入ると受信できなくなるが、付属アンテナを使えば問題なく視聴できた。
番組表や時間指定による留守録に対応するので、自宅や会社など電波の安定するところで番組を録画して、移動中に再生できる。
驚いたのは、ワンセグ録画中に本編とCMの境界線に自動でチャプターを入力することだ。本体のチャプター送りボタンを押せば、簡単にCM飛ばしをして時短視聴が可能だった。これは後述するソニーブルーレイBDZシリーズで録画した番組をウォークマンに転送する「おでかけ転送」機能のおまかせチャプターでも機能する。
次にBlu-ray DiscレコーダーBDZ-A750で録画した番組を本機に転送し、視聴してみた。筆者はこれまでBDZのおでかけ転送機能に関するレポートをしてきたので、この機能の詳細については過去記事を参照していただきたい。とにかく、この機能のヘビーユーザーなのだ。
これまで、デジタル放送のおでかけ転送機能に対応していたのはSCEのゲーム機PSPシリーズと一部のウォークマンだけだった。対応機種についてはこちらを参照したいただきたい。
筆者はXシリーズにおでかけ転送端末として期待する部分が大きかった。これまでPSPだと画質は良いが本体が大きく、日ごろ持ち歩くのには向かない。ウォークマンはコンパクトだが、画面が小さく画質はいまひとつという印象があったからだ。
今回のXシリーズは有機ELの表示により、とにかく画質が素晴らしい。録画番組のいくつかを再生して楽しんだが、PSPを超える満足感が得られた。画面は3型だが、老眼が気になりだした筆者でも、映画の字幕や情報番組の文字テロップもしっかりと読める。こんなに素晴らしいモバイル動画プレーヤーが世に出たことを喜びたい。