明るい部屋での3D視聴レポートも
パナソニック“VIERA”VT2/V2/G2を一斉テスト − 画質差を同一条件で徹底比較!
■動画性能はVT2がV2/G2を大きく上回る
もう一つ、デモディスクで集中的に視聴した「Automobile」では、3機種の動画性能の違いを見て取る事ができた。
「Automobile」は、都内の道路の固定カメラから、行き交う車を撮影した映像だ。実際にVT2/V2/G2の画質を見比べてみると、高速で移動する車のナンバープレートの鮮明さが、誰の目にも明らかなほどに異なる。
VT2の映像はほとんどブレないと言っても良いくらいで、くっきりとナンバープレートの数字の輪郭が見えるのに対して、V2/G2の映像は像が二重になり、数字を判別しづらい。しかも若干黄色い色が被る傾向がある。
他の映像を色々と見比べてみても、VT2はすべての動きのあるシーンで精細感低下が抑えられており、動画のディテール表現力は3機種のなかでもVT2が頭一つ二つ抜けている。これはVT2は3D向けにRGBの全色で「短残光蛍光体」を採用し、残光による尾引きノイズを低減したからで、2D画質向上の大きな成果と言って良いだろう。
BDソフト『ベンジャミンバトン 数奇な人生』でも、画質向上効果は見て取れる。G1/G2比較視聴の際にも画質向上を確認したが、そのG2すら平坦に見えてしえてしまうほど、VT2/V2は映像の鮮明感、密度感を上げている。
具体的なシーンでは、チャプター4に登場する老婆の顔の肌の皺までもキメ細かく、まさに立体的な像を造り出している。VT2/V2/G2の3機種ではVT2/V2がG2を大きく引き離しており、上位2機種の見え方は若干色味の違いもあるが、やはりVT2の方が奥行き感と精細感が高い。
以上のように、シンプルに「黒」の締まりだけを見ても、3D対応モデルのVT2が頂点に立つ。V2は昨年の機種とは比較にならないほど高画質ではあるが、あくまでも2Dモデルとしてはトップという位置づけである。
また、VT2の動画性能の向上は、他の2モデルとは比較にならない。筆者は以前からテレビ番組などでスクロールする白いテロップの尾引きノイズが気になっていたので、VT2の短残光蛍光体による2D画質向上効果を、最も高く評価している。いずれにせよ、今年は3D対応のみならず、プラズマ全体の高画質化が進んだ年と言えるだろう。