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明るい部屋での3D視聴レポートも

パナソニック“VIERA”VT2/V2/G2を一斉テスト − 画質差を同一条件で徹底比較!

公開日 2010/03/19 14:36 折原一也
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■気になるVT2の3D画質は?

パナソニックのVIERA VT2シリーズは、”フルHD 3D対応”を謳うモデルである。その3D画質のレポート記事は既に何度かお伝えしているが、今回は音元出版の視聴室でテストを行ったため、照明環境を変えられる状況下での、初の視聴レポートとなる。

再生機には、パナソニックのBlu-ray 3D対応レコーダー「DMR-BWT3000」を用意した。なお、映像は同社提供の3Dデモディスクにある海中映像のみで、比較対象も存在しない状態ではあるが、VT2シリーズの3D映像は明るい部屋で視聴するとどうなるのか、という疑問を確認するために視聴を行った。

最初に視聴室の調光可能な照明を最大まで上げた状態で視聴すると、画面の明るさは若干暗めになったが、画質モードを「オート」から「リビング」に変更すると、充分な明るさを確保することができた。

■明るい部屋でも画質低下の恐れは少ない


明るい部屋で3D映像を視聴。思わず手を伸ばしたくなるリアリティーがある、と折原氏
さて、明るい部屋での3D映像の見え方だが、画面の明るさの違いを除けば3D映像の立体感は問題なく出ている。フレームシーケンシャルによるフリッカーについては、ほとんど無いといって良いレベルだ。パナソニックらしい黒レベルの低さに裏打ちされた奥行き感、映像の没入感も、暗室での視聴と変わらず健在だった。

3D映像は視聴位置をズラすとそれ相応に動いて見えることもあり、自由に視聴できる環境ではディスプレイの目の前までいくと思わず手を伸ばしたくなるほど立体感が感じられる。

■3Dでは24コマのジャダーが気になりやすい

最後に、今回のVT2の視聴に限らず、他社の3Dデモも含めて気になっていたことをいくつか述べておきたい。

まず、3D映像では全般に、白い被写体に赤や緑の色ノイズのようなものが乗りやすい。これは、以前から他社のデモも含めて見て気になっていた現象で、今回VT2を明るい部屋で視聴したときにも再確認した。ソースによる問題か設置環境によるものかは分からないが、今後3D画質を確認する上で注意したいポイントだ。

また、今年は『アバター』などBlu-ray 3Dソフトの登場も期待されるが、映画ソースの24コマ映像特有のジャダーが、3D映像では2D映像より強く感じられることも指摘しておきたい。ジャダーは2Dでは映画ソースならではの“味”ともなるのだが、3Dでは疲労感を高める可能性がある。

薄型テレビの中には、以前から24コマの映像を補間して滑らかに作り替える技術を搭載したものがあるが、熱心なAVファンからは今ひとつ支持を得られていなかった。筆者も補間された映像は滑らか過ぎると考えていた一人ではあるが、3D視聴ではむしろ積極的にジャダーを減らす目的で活用する日が来るかもしれない。

VIERA VT2シリーズは、4月23日に発売される。同社が威信を掛けて送り出すフルHD 3D対応プラズマテレビとして、またプラズマの2D最高画質モデルとして、その真価をいち早く確かめてみてほしい。

(折原一也)

執筆者プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。

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