iPhone・iTunesの音楽もっといい音で楽しもう
デノンAVアンプ「AVR-3312」徹底攻略 − 【第1回】AirPlayのセットアップから再生まで
iPhoneやパソコンで聴いていた音楽が驚くほど高音質に再現される
今回はデノンのブックシェルフスピーカー「SC-A55SG」との組み合わせて、ステレオ再生の試聴を行った。ジャズのピアノトリオではドラムスが音場の奥に配置され、シンバルの1枚ごとの配置も明瞭に描き出す。ピアノが軽やかに宙を舞う様子も再現され、空間性が豊かだ。音像にブレがなく音程感がしっかりとしている。
全天候型ポップユニット、相対性理論のエレクトリックベースは重さも太さも十分。適度にゴリッとして迫力もある。またボーカルの立ち姿を大きめに映し出し、そのいかにも主役という感じも好ましい。倍音感が豊かで特徴的な声質も、その柔らかさを引き出して、言うならばパステル調。これも好感触だ。
iPhoneやパソコンに保存した音楽を、わざわざ本格的なアンプとスピーカーまで揃えて聴く醍醐味とは何だろうか?それはイヤホンやパソコンの内蔵スピーカーで聴くのとは段違いに、豊かな空間表現が得られることだと思う。ピアノトリオならそれぞれの楽器の配置、そしてピアノやドラムスの一音ごとの配置で、立体的な音空間・音場が生まれる。ボーカルものでも、目の前センターにボーカリストの音像がクリアに浮かび上がった際には、思わずはっと息を呑んでしまうものだ。デノンのAVアンプとAirPlayの機能により、普段聴いているiPhoneやパソコンの音楽がもっと贅沢に楽しめるようになるメリットは、一度体験してしまうとやみつきになるほどだ。iPhoneアプリの中には音声や映像のAirPlayによるストリーミングに対応しているものもある。これらのアプリをAVアンプと組み合わせて、例えば「radiko.jp」アプリを立ち上げてiPhoneでインターネットストリーミング配信を受けているラジオ放送を、AirPlay経由でAVアンプに飛ばしてリスニングが楽しめる。また「YouTube」のコンテンツをiPhoneなどで再生して、動画は手元で視聴しながら、音声はAirPlayでAVアンプに送って迫力いっぱいに楽しむという使い方もできる。
AirPlayに標準対応したAVR-3312の操作性も抜群で、音楽を完全にリラックスして楽しめる理想的なオーディオシステムだ。iPhoneリスニングやPCオーディオをきっかけにアンプに興味を持ったという方々に、“はじめてのAVアンプ”としてもおすすめしたい。
次回「第2回」のレポートでは、デノンAVアンプの最新モデルで楽しむネットワークオーディオ、5.1chサラウンドを詳しく紹介しよう。
「AVR-3312」/¥131,250(税込) 7月上旬発売
【SPEC】●定格出力:125W×7ch(8Ω) ●実用最大出力:195W×7ch(6Ω) ●HDMI:入力7、出力2 ●消費電力:670W ●外形寸法:435W×167H×382Dmm ●質量:11.8kg ●問い合わせ先:デノンお客様相談センター TEL/044-670-5555
高橋 敦:プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。