海上忍が解説
オーディオファンに「OS X Lion」を勧める5つの理由
■5. 「使いやすさ」がLionの真骨頂
以上、途中から読むと脈絡のなさそうなLionのレビューだが、注意深くお読みいただければ、LionというOSが実にオーディオ再生に適した環境であることがお分かりいただけると思う。
その理由の第1が、感性に訴えかける操作性。iPhone/iOSで他のOSに先駆けマルチタッチ技術を本格導入したアップルは、指で払いのけるような「フリック」や、つまむような「ピンチ」といった複数本の指で行う操作を、OS Xに持ち込んだ。人間の感性そのものといえる音楽を楽しもうとするとき、マウスを掴み操作するより、指先をサッと動かすマルチタッチのほうが聴くという行為に没頭できるはずだからだ。
基盤技術が確立されていることも、安定感につながっている。オーディオ再生APIのCore Audioは、OS Xの基礎ソフトウェア技術としてハードウェアとの関係を取り持つだけでなく、得失のないピュアなデジタルオーディオ再生環境をさりげなく提供している。iTunesやafplay、Decibel(旧AyreWave)やaudirvanaなどのサードパーティ製ソフトウェアまで、Core Audioの力を借りないOS X用オーディオソフトはほとんど存在しないほどだ。当然、Lionに至るまでの年月もその安定感を支えている。
もう1つ、「アプリケーションを終了する」という概念の希薄化が挙げられる。Lionでは、新機能「再開」に対応するアプリケーションは、ファイルを開いたまま終了すれば、次回起動したときウインドウの表示位置を含めまったく同じ状態から作業を再開できる。iTunesは「再開」に対応していないが、QuickTime Playerは終了した時点で開いていたムービーと停止位置を記録していたので、今後はオーディオビジュアル系アプリケーションも、「再開」に対応するものが増えることだろう。
折しも、Lionをプリインストールした新機種「MacBook Air」と「Mac mini」が発売された。両機種とも光学ドライブを搭載しないため、外付けドライブを用意しないかぎり音楽CDを聴くことはできないが、デジタルオーディオとの相性のよさは前述したとおり。価格面でのバリューも大きく、これからMacを始めようという向きにはいい選択かもしれない。
(海上忍)
以上、途中から読むと脈絡のなさそうなLionのレビューだが、注意深くお読みいただければ、LionというOSが実にオーディオ再生に適した環境であることがお分かりいただけると思う。
その理由の第1が、感性に訴えかける操作性。iPhone/iOSで他のOSに先駆けマルチタッチ技術を本格導入したアップルは、指で払いのけるような「フリック」や、つまむような「ピンチ」といった複数本の指で行う操作を、OS Xに持ち込んだ。人間の感性そのものといえる音楽を楽しもうとするとき、マウスを掴み操作するより、指先をサッと動かすマルチタッチのほうが聴くという行為に没頭できるはずだからだ。
基盤技術が確立されていることも、安定感につながっている。オーディオ再生APIのCore Audioは、OS Xの基礎ソフトウェア技術としてハードウェアとの関係を取り持つだけでなく、得失のないピュアなデジタルオーディオ再生環境をさりげなく提供している。iTunesやafplay、Decibel(旧AyreWave)やaudirvanaなどのサードパーティ製ソフトウェアまで、Core Audioの力を借りないOS X用オーディオソフトはほとんど存在しないほどだ。当然、Lionに至るまでの年月もその安定感を支えている。
もう1つ、「アプリケーションを終了する」という概念の希薄化が挙げられる。Lionでは、新機能「再開」に対応するアプリケーションは、ファイルを開いたまま終了すれば、次回起動したときウインドウの表示位置を含めまったく同じ状態から作業を再開できる。iTunesは「再開」に対応していないが、QuickTime Playerは終了した時点で開いていたムービーと停止位置を記録していたので、今後はオーディオビジュアル系アプリケーションも、「再開」に対応するものが増えることだろう。
折しも、Lionをプリインストールした新機種「MacBook Air」と「Mac mini」が発売された。両機種とも光学ドライブを搭載しないため、外付けドライブを用意しないかぎり音楽CDを聴くことはできないが、デジタルオーディオとの相性のよさは前述したとおり。価格面でのバリューも大きく、これからMacを始めようという向きにはいい選択かもしれない。
(海上忍)