HOME > レビュー > オーディオファンに「OS X Lion」を勧める5つの理由

海上忍が解説

オーディオファンに「OS X Lion」を勧める5つの理由

公開日 2011/07/22 12:33 海上 忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
■2. 信頼のオーディオAPI「Core Audio」

Phile-web読者が関心を持つのは、やはり音楽再生環境としてのOS Xの機能だろう。だが心配はご無用、OS Xは数あるパソコン用OSのなかでもトップクラスのサウンド関連技術を標準装備している。その代名詞的存在が「Core Audio」。Mac OS X初期の段階から利用されており、OS Xユーザにとってはあって当たり前、ふだんは意識されることもない。

標準装備の「Audio MIDI 設定」を使えば、96kHz/24bitなどの出力条件を強制的に指定できる(iTunesなど多くのオーディオ再生ソフトは自動)

Lionとほぼ同時にリリースされたバージョン10.4で64ビット化されたMac用「iTunes」。Cocoa APIを使うよう書き換えられている

Core Audioは、OS XおよびiOSにおけるサウンド技術の総称であり、システムプログラム群(API)をも意味する。高音質化を最優先に設計されたわけではないが、システムの基盤レイヤーに近い部分と直接オーディオデータをやり取りできるため、結果的に音質向上に寄与している。


開発ツールに付属のアプリケーション「HALLab」。オーディオ入出力装置を細かく制御できるとともに、OS Xのオーディオ機能がCore Audioをベースにしていることがわかるツールだ
その点では、WindowsのWASAPI(Windows Audio Session API)と似ているが、OS XのCore Audioはよりシンプルだ。ハードウェア抽象化レイヤー(HAL)に直結しているうえ、他のオーディオ関連APIがCore Audioのプログラミングインターフェイスに依拠しているため、結果的にほとんどのオーディオソフトがCore Audioの恩恵を受けている。WASAPI向けにプログラムを書き換えないかぎり、その恩恵を受けることができないWindows用オーディオソフトとは、そこが大きく異なる(実際、Windows版iTunesもバージョン9まではWASAPI非対応だった)。

だから、OS Xでは"余計なフィルターやミキサー、イコライザが実装されていないかぎり"、再生音が劣化する余地がないといえる。ソースコードが公開されていないソフトの場合、そのような実装状況は最終的に自分の耳か波形データをとって調べるしかないため、ビットパーフェクトかどうかの議論が生まれる余地があるが、基本的にはクセのないデジタルオーディオ再生基盤なのだ。もちろん、ジッターや電波干渉は別の次元の話として、である。

次ページその3:再起動してもデスクトップはそのまま

前へ 1 2 3 4 5 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック:

音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー196号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.196
オーディオアクセサリー大全2025~2026
特別増刊
オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX

本ページからアフィリエイトプログラムによる収益を得ることがあります