「真のハイCPモデル」
【レビュー】B&W 45周年記念スピーカー「PM1」を貝山知弘が聴く
■PM1のプロフィール
PM1はコンバクトでハイクォリティな2ウエイのブックシェルフ型スピーカーだ。PMは“プレステージモニター”を意味する。本機の内容を知り、サウンドに触れると、この呼称が正当であることが判る。
本機のサイズは同社のベストセラーモデル「CM1」より少し大きい程度だが、キャビネットの内容積はほぼ同じである。
サイズが似通っていることから、本機を800 DiamondシリーズとCMシリーズの中間に位置する製品と考えがちだが、両者の内容を一つ一つ吟味していくと、その位置づけはむしろ「805 Diamond」とその前身である「805S」の間に位置する製品と言えるだろう。
PM1のトータルイメージは、小型でありながら高級機のイメージを継承すること。具体的には上部にラウンドシェイプを施し、800 Diamondのデザインを想起させる側板を付加し、ノーチラスチューブを採用したトゥイーターをキャビネット上部に設置している。
さらにモカ&ブラックを基調としたカラーデザインも、大人の好む落ち着いた雰囲気を醸しだしている。
■頑強なキャビネット構造を採用
PM1のキャビネットは頑強で、高級モデルで使用している内部補強構造〈マトリックス〉を採用し、振動の抑制と分散を図っている。
ソフトブラックのMDFコアはベース(底)とバック(裏)とマトリックス補強を組み合わせた構造だ。
BMC(熱硬化ポリマー)のバッフルとトップはアッセンブルの直前に裏側層を注入してマスとダンピングを付加し、積層の側板も接着剤でコアに貼り付けてメカニカルなダンピングを得ているが、これも振動対策の一環だ。
イタリアAlpi社製のハイグロス仕上げ突き板は、リアルウッドの木目が美しい。このエンクロージャーの特徴は、基本的に高剛性でありながら、振動の抑制と分散が巧みで、整ったエネルギーバランスと癖のない自然な音調が得られることだ。