「真のハイCPモデル」
【レビュー】B&W 45周年記念スピーカー「PM1」を貝山知弘が聴く
■アルミドームながら性能を大きく高めたトゥイーター
トゥイーターの振動板は、サイズこそCM1と同じだが、その内容は大きく進化している。
本機のトゥイーターは同社独自のノーチラスチューブに収められ、振動板の後方に放射される音を巧みに減衰させ、前方放射音との干渉を低減している。
このユニットは特性上でも音質的にも、CM1のユニットを大きく上回っている。
特性上では超高域の共振周波数が30KHzから40KHzに上がると同時に、歪みが減少している。可聴帯域外の特性の差が可聴帯域の音質に影響することは既に常識で、超高音域の共振周波数は高いほどよく、歪みは少ないほどいい。
同社のハイエンドシリーズである800 Diamondシリーズで使われているダイヤモンドトゥイーターの共振周波数は70kHz。本機のユニットはそれには及ばないが、40kHzという値はアルミドームの中では圧倒的に高い。
これが実現できたのは、トウイーターの外周部をカーボンファイバーで補強しているからで、同社ではこの手法を施したユニットを「カーボンブレース・トゥイーター」と呼んでいる。さらにダブルマグネットの使用で能率を向上させていることも効果を上げている。
価格的に有利なアルミ振動板を進化させることは、B&Wの大きな課題だった。これが解決できたことは、今後同社の低・中価格モデルの音質向上にも繋がっていくはずだ。