クラウド連携にカメラ機能も大きく向上
「iOS 5」+「iCloud」が実現したAV機能の進化を総チェック!
■大きく強化された写真関連機能
iOS機器には、電話やオーディオプレーヤー、電子書籍リーダーなどいくつかの顔がある。そのうちiOS 5で大きく進化した機能が『カメラ』だ。
間もなく発売される「iPhone 4S」は、レンズの明るさがf2.4に向上したうえ、フルHD/1080pのムービーを撮影できるようになったが、それはあくまでハードウェアの強化によるもの。iOS 5では、ソフトウェアレベルでの改良を加えることにより、従来機でもカメラ機能の使い勝手を改善している。
まず、起動が速くなった。多くのユーザーは一定時間未操作状態が続くと自動的にスリープする設定にしているだろうが、以前はこのスリープ状態から『カメラ』を起動しようとすると、スライダーを動かしてロック解除、『カメラ』がある画面へ移動してアイコンをタップ、という手順を踏むため、時間と手間が必要だった。
iOS 5ではこれを改め、ロック状態のときホームボタンをダブルクリックすると、スライダー右横にカメラボタンを表示するようにしている。シャッターも画面タップだけでなく、ボリュームボタン(上)が兼ねるようになった。これでシャッターチャンスを逃すことも減るだろう。
撮影時におけるユーザインターフェースの改良にも注目だ。オプションでグリッド線をオーバーレイできるようになり、構図を決めやすくなったほか、指2本をつまんだり離したりする操作(ピンチイン/アウト)でズームイン/アウトできるようになった。また画面を長くタップすると、AE/AFのロック/アンロックも可能だ。
さらに、撮影した写真は「編集」からトリミングや回転、補正、赤目除去などが可能になり、iOSデバイスだけで、おおまかな写真の編集が行えるようになった。
■写真をクラウドで自動的に連携する「フォトストリーム」
iCloudと連携した自動写真転送機能「フォトストリーム」も押さえておきたい機能の一つだ。
同機能を有効にしたPC/iOS機器は、30日間のあいだに撮影またはライブラリに登録された写真を自動的にiCloudへ転送し、同じApple IDでサインインしている他の機器へ写真をプッシュしてくれる。
たとえばフォトストリームが有効なiPhoneで撮影した写真は、同じApple IDでサインインしているiPadやパソコンですぐに鑑賞できる。iCloudが保管できる写真の枚数は最大1,000枚、しかもバックアップなどに使う領域(iCloudストレージ)とは別にカウントにされるので、よほど多くの枚数を撮るようなことがないかぎり不足はないだろう。
(海上 忍)