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東芝REGZA「55X3」の衝撃 ー やはり「4K」は凄かった

公開日 2012/01/20 12:00 取材・執筆:大橋伸太郎/折原一也/鴻池賢三/林 正儀/村瀬孝矢/山之内 正
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4Kと裸眼3Dは両立できているか?
フェイストラッキング、2D/3D変換
4K超解像など主要機能を試す

取材・執筆:折原一也

視聴者の顔を検出し、3D視聴に最適な視差となるように調整するフェイストラッキングやあらゆる映像信号を4K化する4K超解像など、55X3の気になる機能を検証した

<TEST1>
フェイストラッキング機能を検証せよ

トラッキングに成功した場合(緑枠の3D視聴エリアに顔がある)

トラッキングに失敗した場合(緑枠の3D視聴エリアに顔が無い)


3D映像の見え方(OK例)

3D映像の見え方(NG例)
フェイストラッキングを行うためのカメラは、パネル前面下にある。認識可能な範囲は、画面の中心から水平方向に約25度のエリア。25度と言われても実感し難いのだが、これはテレビから2m離れたポジションで視聴する場合、テレビの端から約30cm程度外側にズレたところまでは、ギリギリ認識してくれる。高さ方向は約30度。高さ40cm程度のローボードのテレビ台に設置したと仮定すれば、テレビから2mの距離で膝立ち、3m離れると身長180cm程度の人が直立した状態でも顔を認識してくれる。なお、顔認識した最大距離は今テストでは約3.5mだった。

カメラにより顔を上手く認識できれば、3D表示はある程度は改善される。ただし視聴位置を移動した場合は、その度にリモコンのトラッキングボタンを押す必要がある。また2人以上で視聴する際には、「3D視聴位置チェック機能」の画面を一度表示して、全員が正しく見える範囲内に収まっているかを確認する必要があるだろう。


結論
複数人で視聴する場合は手動がベスト


<TEST2>
レンチキュラーシートの影響を検証せよ

2D表示の場合(レンチキュラーシートが無効化されている)

3D表示の場合(写真では、レンチキュラーシートにより像がボケている)

裸眼3D表示に必要となるレンチキュラーシートが2Dの画質に影響するのでは?と盛んに言われてきたが、実際の製品版を視聴すると、気にならないレベルにまで改善されていた。無論、状況によってはその弊害が無いわけではない。例えば、正面の位置の視聴では違和感が無いものの、少し角度を付けて視聴すると表面にザラ付きを感じるかもしれない。また、特定の明るさの映像のみ、画面端が明るく見えるなどレンチキュラー由来の癖もあるようだ。


結論
複数人で視聴する場合は手動がベスト


<TEST3>
2D/3D変換の効果を検証せよ

2Dコンテンツを55X3にて2D/3D変換、9視差モードで表示した映像を撮影した。ネイチャー系のドキュメンタリー番組やCGアニメなどの映画作品に活用するといいだろう

せっかくのグラスレス3Dを存分に味わうためにも「高精度2D/3D変換」を活用し、2Dソースも3Dに変換して視聴したい、というユーザーもいることだろう。そこで、BD『カーズ2』の2D版をテレビ側で2D/3D変換した場合と、『カーズ』の3D版をそのまま再生した場合とで比較を行った。

やはり3D版のクオリティには及ばないが、2D/3D変換でも奥行きある立体感が再現された。テレビ放送のドラマに2D/3D変換をかけても、奥行きの付いたシーンでは一定の効果を得ることはできる。ただし「モーション3D」や「ベースライン3D」、「フェイス3D」などの独自技術が搭載されているとは言え、従来の3D対応レグザに搭載されている2D/3D変換と比較して劇的な効果アップは感じられない(裸眼とメガネ式とでは単純比較できないが)。2D/3D変換には、相性のいい、映画のような没入感あるソースでの運用が最適だろう。


結論
「何でも」ではなくコンテンツを選び活用すべし


<TEST4>
4Kテレビの超解像機能を検証せよ

レゾリューションプラスOFF (DVD素材)

レゾリューションプラスON (DVD素材)


レゾリューションプラスOFF (BD素材)

レゾリューションプラスON (BD素材)
QFHD超解像技術はどれほど有効なのか。様々なソースを用意して検証を行った。まず、メーカー公称の最高画質とも言えるDBR-M190との組み合わせによる「レグザコンビネーション高画質」でのBD再生は、まさに緻密の一言だ。細部までがドット単位で際立ち、極めて立体感ある映像を生み出す。一般的なレコーダーなどでも55X3の4K超解像の威力が発揮されるが「レグザコンビネーション高画質」と比較すると、同社レコーダーRD-BZ810と組み合わせた時は、多少エンハンス効果が目に付きやすくなる。なお、ここであえて「レゾリューションプラス」を解除しても4倍画素QFHDパネルの実力で自然な立体感は出る。同様に、地上デジタル放送の場合でもBDに迫る高画質な映像が映し出される。

意外だったのがDVDとの相性の良さで、平坦部のノイズが的確に抑えこまれ素材によってはHD並のクリアさを感じることもある。このようにQFHD超解像技術は、あらゆるソースに通用する最高クラスの映像技術であることは間違いないだろう。


結論
QFHD超解像の効果は絶大!一見の価値あり


次ページCEVOの組み合わせが可能にした連携技「レグザコンビネーション高画質」

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