スマホやタブレットと簡単連携
WiFi対応でビデオカメラが変わる ー JVC“Everio”新モデル「VX/EXシリーズ」を試す
新“Everio”のWiFi機能、スマホ&タブレット連携機能を使ってみた
では、新しい“Everio”のWiFi機能を実際に使ってみよう。WiFi周りの機能は一度設定してしまえばとても便利に使えるのだが、その設定の過程に少々コツがいるので、今回は筆者が新製品の「GZ-VX770」と「GZ-EX270」ハンドリングしてみた成果をご報告しておこうと思う。
ユーザーインターフェースは両機種ともにほぼ共通だ。WiFi機能のメニューを独立させて、直感的なアクセスと使いやすさを高めている。iOS/Androidの両プラットフォーム向けに無料でダウンロードできるコントローラーアプリ「Everio sync.」も用意した。この組み合わせにより、多くの人々がビデオカメラでWiFi機能を活用できるようになっている。
最も簡単に使えるのが「ダイレクトモニター」だ。カメラ側のメニューでWiFiアイコンを選択し、次に表示される「WPS」を選んで2分以内にスマートフォンやパソコンのWPSを有効にすれば自動的に接続される。この時、カメラ側のモニター表示は「遠隔操作中」となり、この段階でスマートフォンやパソコン側からカメラの操作が可能になる。
一方で少々コツが必要とされるのが「おでかけモニター」だ。機能こそ「ダイレクトモニター」と同じだが、インターネットを介してカメラを外部ネットワークからコントロールできるようになる点が異なる。そのため、あらかじめ「ダイナミックDNS(DDNS)」のアカウントを取得しておく必要がある。取扱説明書に記載してあるURLにアクセスして、ここで得たアカウント名とパスワードを「お出かけモニター設定」→「DDNS設定」へと進んで、それぞれを設定を行う。
これを終えたら、スマートフォン側のアプリ「Everio sync.」を起動して、カメラ側のネットワーク情報で表示されたWAN側のURLを入力してカメラと接続。HTTP認証(初期設定はユーザー名が「everio」、パスワードが「0000」)を経てログインする。これでインターネット経由でスマートフォンからカメラの操作が可能になる。
ここで注意したいのは、カメラが接続している無線LANのアクセスポイントがUPnPに対応しており、グローバルIPアドレスが割り当てられていることだ。これが割り当てられないと、外部からカメラのインターネット上の場所が特定できず、操作ができなくなってしまう。
「お知らせメール」と「ビデオメール」は、あらかじめ送信元と宛先のアドレス(最大8件まで)を設定しておけばすぐにメールで送信ができる。
ただ、当たり前だが、送信元メールアドレスや、宛先メールアドレスの設定は欠かせない。送信元を設定する際はSMTPサーバー設定などが省略できるGmailがオススメだ。また、「お知らせメール」では、顔認識あるいは動き検出のどちらかが選べ、静止画撮影のインターバルを15秒から1時間まで6段階で設定(デフォルトは10分ごと)し、メールに添付して送信可能だ。さらに、検出中の映像をフルHDで本体に記録することもできる。送信される静止画は640×360ピクセルとなり、10日間を過ぎるとビデオカメラの電源はが自動的に切れるようになっている。
「ビデオメール」では撮影前にモニター上にカウントダウンが大きく表示され、撮影開始まで撮られる準備ができるのが良い。撮影はAVCHDのままで行われ、撮影終了後は内容のチェックもワンタッチで可能だ。内容が確認できたら送信ボタンを押すだけ。これで自動的に撮影したAVCHD動画はMP4に変換されてメールで送信される。動画ファイルは最大で15秒間までと、撮影できる尺が限定されているが、ビデオメールであれば十分な時間。ファイルサイズがそれほど大きくならないので、受け取る側にとってもそうは負担にならないはずだ。
撮影した動画や静止画の転送は、スマートフォンやタブレットに対してWi-Fi Directあるいはインターネット経由で行える。ここでも一度設定すれば、操作はとても簡単。「Everio sync.」を起動してカメラと接続した後、操作画面の左下にあるアイコンを押してサムネイルの表示に切り替える。ここで表示されるのはビデオカメラ側の内容で、この一覧から転送したい動画や静止画を選ぶだけでいい。静止画と動画はその右下にあるアイコンで切り替え、「共有」ボタンを押せばSNSへのアップロードも可能になる。
一つひとつはかなり複雑そうに見えるが、最初に一度設定を済ませてしまえば後はそう難しいことはない。WiFiを活用して、新しいビデオカメラの楽しみ方をぜひ開拓してもらいたい。