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音質がさらに向上したシリーズエントリー機

着実な進化を遂げたECLIPSE「TD307MK2A」をデスクトップオーディオで活用!

公開日 2012/07/11 12:47 大橋伸太郎
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■デスクトップオーディオでTD307MK2Aを活用する

ミュージシャンに愛用者が多いのは、ECLIPSE TDシリーズに共通した正確な音の再現性によるものだが、コンパクトなTD307MK2Aもそうした美点では上位機種に譲らない。一方でコンパクトネスを生かした机上設置のデスクトップシステムは、上位機種に出来ない3シリーズならではの魅力である。

そこで、ラステーム・システムズのRUA22Aと組み合わせて実際にデスクトップシステムを構成してみた。RUA22Aは192kHz/24bitまで対応するUSB DACとデジタルアンプを一体型にまとめたユニークな製品で、サイズが123W×48H×127Dmmと非常にコンパクト。前面パネルに有機ELのカラーディスプレイを持ち、精密な凝縮感の存在感という点でTD307MK2Aと惹き合うものがある。

ラステーム・システムズ「RUA22A」

最初にPC内のダウンロード音楽ファイルを再生したが、大型システムで得られない音の情景の美学が楽しめる。RUA22Aのアンプ出力は20W+20W(4Ω)、TD307MK2Aは8Ωなのでこの組み合わせの場合10W+10Wである。

T307MK2Aは写真のようなデスクトップオーディオシステムの構築に適している

TD307MK2Aの能率が80dB/W・mと比較的控えめなので、両者の組み合わせで大きな音量は取り出せない。しかし、RUA22Aの聴感上のパワー感はスペック以上に高く、ニアフィールドリスニングなら、十分な音圧感が得られる。ボリュームをMAX付近まで上げても歪が感知されない点も優れている。しかし、デスクトップで好結果を得られた理由の多くはTD307MK2Aの設計思想による。

第一に、TD307MK2Aはシリーズ最大の+30°〜−20°の仰角の調整機能を持つため、椅子に座った時の耳の位置と音源を正確に一致させることができる。箱型スピーカーをデスクに置いた時の机面からの音の反射がないことも大きな利点だ。

第二に、ディフュージョン・ステー(仮想フローティング構造)とグランドアンカー(ユニット後部の足場)のインシュレーション構造(振動絶縁設計)が濁りや雑味のない音質を実現しているため、ハイレゾ音源の場合も情報の細部を損なわない。

第三に、台座と本体との連結部が精巧に作られているため、ニアフィールドリスニング(近接試聴)で気になる不要振動やスピーカー自体が発生するメカニカルノイズが最初から発生しない。



こうして得られる緻密でクリアな音場は、大口径ユニットを使った大型システムで決して得られない、音楽への快い集中力を聞き手に生み出す。音に耳を澄ませ音楽を傾聴するオーディオの初心がそこにある。ECLIPSE TDシリーズの末っ子TD307MK2Aだけが成しうる、プライベートルームの魔術である。

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