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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第28回】高音質&小型の“理想ハイレゾDAP”!? Astell&Kern「AK100」徹底チェック

公開日 2012/12/21 13:50 高橋敦
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■プレイリスト機能には若干の改善をのぞみたい

ただ改良を望みたい部分もある。それはプレイリスト周りだ。本機のプレイリスト機能はメーカーのウェブに掲載されているヘルプによると「簡易プレイリスト機能」。実際その機能は簡易的だ。※記事初出時「ブラウズ画面から曲名を長押ししてプレイリストに追加することができず、プレイリストの作成と曲の追加は再生中の画面のメニューボタンからしか行えない」との記載がございましたが、正しくはリストからでもプレイリストの曲の追加は可能です。曲選択リストからプレイリストへ追加したい曲を右から左にフリックすることで「プレイリスト登録」と「ファイル削除」のマークが表示されます。お詫びし訂正いたします。(2012/12/25)

また作成したプレイリストの編集機能が見当たらない。このあたりは可能であればソフトウェアのアップデートで改良してほしい。なおパソコン用の「iriverPlus4」アプリを用いれば、パソコン側でプレイリストを作成して転送するといったことは可能だ。

またこれは保証されない方法だが、僕が試したところでは、本機をパソコンにUSB接続し、その中に収納されているプレイリストファイルをパソコンのテキストエディターを開いて直で編集するということも可能だった。

■操作性をさらに引き上げるハードウェアボタンと音量ダイヤル

さて操作の中心となるタッチパネルもレスポンスが良くて上々の使いやすさだが、本機の操作性をさらに引き上げているのは、ハードウェアボタンと音量ダイヤルだ。

本体左側面に精密感のあるボタンが並んでいる。クリックの感触もカチッとしている。本体を左手で持つと、親指でこのボタン、人差し指でボリュームダイヤルを操作しやすい

ボリュームダイヤルは本体右側面。ローレット加工されており、指先にちゃんと食いついて操作しやすい

再生・停止と曲のスキップのボタンは、これを省略してタッチパネルに任せているプレーヤーもある。しかし個人的には、これがあるとないとでは使い勝手に大きな差があると考えている。単純な話、物理的なボタンがないと画面を表示させないと操作できないし、手探りでの操作も難しいからだ。

ボリュームダイヤルも秀逸だ。回すと小刻みに軽いクリック感があり、モノを操作している実感が強い。音量制御自体はアナログではなくデジタルだが、そのステップ数が152段階もあるので、音量の変化は素晴らしく滑らかだ。

使い勝手の面で他に良い点としては、起動の速さ。常時電源オンで使うスマートフォンでは起動速度はさほど重要ではない。しかしポータブルプレーヤーは使い終わったら電源をオフ、使い始めるときに電源をオンという使い方が多いだろう。本機は電源オフ状態からの起動に30秒弱しか要さず、ストレスを感じさせない。

■最大192/24までサポート − 近日中にALAC/AAC/AIFFにも対応予定

他の部分もさらりとチェックしておこう。

まず内蔵メモリーは32GB。ハイレゾを扱うには頼りないがもちろん増設可能だ。microSDカードスロット×2基が用意されており、各32GBで合計64GB増設できる。なので最大総容量は96GBとなる。そして内蔵メモリーに入れた曲もmicroSDに入れた曲も区別なく合わせてデータベース化されるので、普段のライブラリのブラウズで両者の違いを意識することはない。

microSDカードスロットは本体底面。テキトーなキャップなどではなく、精巧なシャッターで閉じられている

シャッターをカシャンと開けてカードを挿入。この「カシャン」という感触がまたよい

なお再生できるファイルの形式と仕様は、ファイル形式がWAV/FLAC/APE/MP3/WMA/OGG。仕様が最大192kHz/24bit。さらに、Apple Lossless/AAC/AIFFに対応するファームウェアアップデートも近日中に予定されている。

充電とファイル転送に使うのは本体側がmicroB端子のUSBケーブル。多くのスマートフォンと共通なので使い回しができるはず

手前がヘッドホンと光デジタル出力の兼用端子でその奥は光デジタルの入力端子

さて、次頁ではお待ちかねの音質チェック!

次ページ本機用にチューニングされたイヤホン「AK100-111iS」と聴き比べてみた!

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