[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第26回】手の平サイズで実力派! AudioQuestのUSBヘッドホンアンプ「Dragonfly」
■往年の“世界最小最軽量”に弱い高橋敦を刺激する、超小型USB-DAC/ヘッドホンアンプ
僕の世代(現在三十歳代半ば)くらいまでだと、ソニーの代名詞であった「世界最小最軽量」を筆頭に、小型軽量なエレクトロニクス製品に自然と憧れや敬意を抱いてしまうという方は多いのではないだろうか。僕はまさにそのタイプで、オーディオにおいても、小さくて凝縮感のある製品を見かけると、とりあえず関心を寄せてしまう(まあ、でかい製品も好きなのだけれど)。
オーディオにおいて小型製品には、省スペースという実用性があると同時に、物量(特性が良い代わりにでかい部品など)を投入できないという音質面での不利があり、小さいは正義!とは言えない。しかし小型製品、特に“超”小型製品には、やはり夢がある。
というわけで今回紹介するのは、AudioQuestから登場したUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「Dragonfly」だ。価格は実売2万2,800円。
■96/24対応でアシンクロナス伝送対応 − サンプリング周波数別で色が変わるトンボのギミック
早速大きさについてだが、見ての通りのUSBメモリーサイズ。PCのUSB端子に直結して利用するスタイルを採用しており、つまりケーブルは不要だ。ケーブルブランドであるAudioQuestの製品なのにケーブルレスという倒錯感が何やら素敵。
手にするとこの季節は筐体がひんやりと冷たく、また重量感もあることから、筐体は金属製と思われる。表面仕上げは艶消しで、その手触りも良好だ。超小型製品フェチの心も十分に満たしてくれるであろう、モノとしての魅力がある。
そしてスペックも充実。対応サンプリング周波数は最大96kHzで、その手前の88.2kHzにもちゃんと対応。市場を見渡すと88.2kHzには対応しないというUSB-DACも散見されるのだが、例えばDSDマスターのハイレゾ音源は88.2kHzで提供されることも多いので、それに対応してくれているのは嬉しい。
しかもこいつは、回路の動作基準となるクロックを44.1/88.2kHz系と48/96kHz系でそれぞれ独立して用意している。どちらの周波数が来てもそれに最適なクロックを基準に動作して、より良好な処理結果=音質を得ることができるのだ。
ちなみに再生中の音源のサンプリング周波数は、ドラゴンフライ=トンボの形のLEDの発光色で確認できる。44.1kHz時にはグリーン、48kHz時にはブルー、88.2kHz時にはイエロー、96kHz時にはパープルだ。
USB転送の方式はもちろんアシンクロナス(非同期)方式。オーディオデータの伝送処理は、PC側のクロックではなく、本機の側のより正確なクロックを基準に行われる。それによって、音質を損なう原因となるジッターの発生を抑えている。
音質に関わってくるポイントとして他には、DACチップはESS製「ES9023」を搭載している。様々な製品に採用実績があり、音質には定評があるメーカーのチップだ。
また操作性の面は、見ての通り何のスイッチもないので、操作に迷いようがない。USB端子に挿して、ヘッドホンを挿して、聴くだけだ。ボリュームはPC側の再生アプリの方で調整する。
さて、次頁ではおまちかねの音質チェックだ!
僕の世代(現在三十歳代半ば)くらいまでだと、ソニーの代名詞であった「世界最小最軽量」を筆頭に、小型軽量なエレクトロニクス製品に自然と憧れや敬意を抱いてしまうという方は多いのではないだろうか。僕はまさにそのタイプで、オーディオにおいても、小さくて凝縮感のある製品を見かけると、とりあえず関心を寄せてしまう(まあ、でかい製品も好きなのだけれど)。
オーディオにおいて小型製品には、省スペースという実用性があると同時に、物量(特性が良い代わりにでかい部品など)を投入できないという音質面での不利があり、小さいは正義!とは言えない。しかし小型製品、特に“超”小型製品には、やはり夢がある。
というわけで今回紹介するのは、AudioQuestから登場したUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「Dragonfly」だ。価格は実売2万2,800円。
■96/24対応でアシンクロナス伝送対応 − サンプリング周波数別で色が変わるトンボのギミック
早速大きさについてだが、見ての通りのUSBメモリーサイズ。PCのUSB端子に直結して利用するスタイルを採用しており、つまりケーブルは不要だ。ケーブルブランドであるAudioQuestの製品なのにケーブルレスという倒錯感が何やら素敵。
手にするとこの季節は筐体がひんやりと冷たく、また重量感もあることから、筐体は金属製と思われる。表面仕上げは艶消しで、その手触りも良好だ。超小型製品フェチの心も十分に満たしてくれるであろう、モノとしての魅力がある。
そしてスペックも充実。対応サンプリング周波数は最大96kHzで、その手前の88.2kHzにもちゃんと対応。市場を見渡すと88.2kHzには対応しないというUSB-DACも散見されるのだが、例えばDSDマスターのハイレゾ音源は88.2kHzで提供されることも多いので、それに対応してくれているのは嬉しい。
しかもこいつは、回路の動作基準となるクロックを44.1/88.2kHz系と48/96kHz系でそれぞれ独立して用意している。どちらの周波数が来てもそれに最適なクロックを基準に動作して、より良好な処理結果=音質を得ることができるのだ。
ちなみに再生中の音源のサンプリング周波数は、ドラゴンフライ=トンボの形のLEDの発光色で確認できる。44.1kHz時にはグリーン、48kHz時にはブルー、88.2kHz時にはイエロー、96kHz時にはパープルだ。
USB転送の方式はもちろんアシンクロナス(非同期)方式。オーディオデータの伝送処理は、PC側のクロックではなく、本機の側のより正確なクロックを基準に行われる。それによって、音質を損なう原因となるジッターの発生を抑えている。
音質に関わってくるポイントとして他には、DACチップはESS製「ES9023」を搭載している。様々な製品に採用実績があり、音質には定評があるメーカーのチップだ。
また操作性の面は、見ての通り何のスイッチもないので、操作に迷いようがない。USB端子に挿して、ヘッドホンを挿して、聴くだけだ。ボリュームはPC側の再生アプリの方で調整する。
さて、次頁ではおまちかねの音質チェックだ!
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