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広がるスマホ向けサービスのマルチデバイス対応

【レビュー】ドコモのVODを家庭内で − タブレット「dtab」とTV用端末「dstick」の使い勝手を検証

公開日 2013/03/26 10:41 レポート/折原一也
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dマーケットに最適化された10.1型タブレット、dtab

次にdtabを検証していこう。dtabは、NTTドコモが9,975円(税込)という格安価格で発売するWi-Fi専用の10.1インチタブレットだ。液晶の解像度は1,280×800ドットで、1.2GHz駆動のクアッドコアCPU、8GBのストレージを内蔵しマイクロSDHCに対応というスペックは、抜きん出てハイエンドという仕様ではないが、最大の特徴はdビデオ、dアニメストアを始めとしたdマーケットのサービスを快適に楽しめる専用メニューを搭載していることだ。ちなみにOSはAndroid 4.1で、Google Playストアにもアクセス可能だ。

NTTドコモが9,975円で販売する「dtab」

「dマーケット」のトップページ

実際にdビデオを利用するには、Wi-Fiに接続した状態でメニューからアクセスするとdocomo IDの入力を求められる。端末を追加するとマルチデバイスという扱いになり、元々契約してあるスマートフォン側も含めてダウンロードした番組を再生する際に認証を求められるのはdstickと共通だ。

dtabからアクセスしたdビデオ/dアニメストアのページデザインは、dビデオ/dアニメストアともトップページ以外はスマートフォン版とほぼ同じ作りとなっている。スマートフォン向けの画面を10.1インチの画面で表示するために、アイコン等が小さい箇所はあるものの、元々タッチパネル操作向けに設計されているため操作は快適だ。なお、dtabで視聴できる作品はdビデオ/dアニメストアともにスマートフォンと同様だ。「マイリスト」の内容もクラウド側で連動するようになっており、ちょうどスマートフォンを2台所有しているのと同じような感覚で扱える。

「dtab」で表示した「dビデオ」のトップページ

画面デザインはスマートフォンと共通


検索機能も同じ。タッチ操作で操作しやすい

ドラマはシリーズ毎にまとめられている


「dtab」で「dアニメストア」のトップページを表示したところ

視聴ページはスマートフォンと共通


「マイリスト」の表示

スマートフォンと同じ作品がヒット

dtabで作品を視聴する際の画質は、dビデオ/dアニメストアともにスマートフォンやdstickと同じ「普通」「きれい」「すごくきれい」の画質を選択可能。10.1インチという画面サイズに対してVGA画質では高画質とは言えないが、まずまず視聴はできるレベルである。音質はドラマのセリフなどの声がクリアで聞き取りやすく、メディアプレーヤーとしてはよく作り込まれている。

なお、dtabではスマートフォンと同じくストリーミングの他にダウンロード視聴も可能だ。ただし先に触れた通り、マルチデバイスで視聴した際には3時間しかライセンスが持続せず、再生開始直前に認証が必要になるため、いくらダウンロードができてもWi-Fiの範囲外に持ち出して視聴するような使い方は想定していない(テザリングを利用することで再生は可能)。屋外に関しては、元々契約しているドコモのスマートフォンで視聴できるので、dtabのターゲットはあくまでも自宅、あるいは屋内環境ということになりそうだ。

「dビデオ」の画質選択画面。ダウンロードも選べる

ダウンロード済みの番組は再生直前にネット認証を行う

dstick/dtabの使用感を総括
スマホ向けサービスとテレビの融合を強力に後押しする製品

ドコモが提供するdビデオ/dアニメストアをはじめ、dマーケットのサービスの使い勝手を高めるデバイスとして登場したdstick/dtabだが、基本的にスマートフォン向けのサービスをテレビ、タブレットに展開していることもあり、画質についてはモバイル向けの水準に近いようだ。

dstickについては、リモコンアプリが現状ではタッチパッドを表示するスタイルとなっているが、dビデオ/dアニメストアと共通のサービスで利用するのだから、スマートフォン側にもメニューを表示してテレビ側と連動させるような仕掛けが欲しかった。

dビデオ/dアニメストアのテレビ視聴は、まだ開始したばかりのサービスだけに改善の余地はあるが、それでもスマートフォンの契約を行っていれば、500円前後のワンコインで利用できる価格は、テレビ専用の映像配信にはない格安の料金設定であり、さらにいずれの端末も1万円以下で入手可能な手軽さは魅力だ。

NTTドコモ以外にも、auやソフトバンクも、自宅のテレビでスマートフォンと共通の映像配信を視聴できるデバイスを発表している。今後、スマートフォンで生まれたサービスをテレビで利用することが、映像配信のみならずテレビ全体の大きなトレンドとなる可能性がある。

(折原一也)

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