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【特別企画】フルバランス伝送でハイエンドなイヤホンリスニングを楽しむ!

人気イヤホン別に大検証! “フルバランス駆動で音質はどれだけ変わる?”

公開日 2013/04/26 12:16 レビュー執筆:野村ケンジ / 記事構成:ファイル・ウェブ編集部
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●SHURE「SE535 Special Edition」

標準ケーブルでも、表情豊かなサウンドを楽しませてくれる「SE535」だが、「Rx MK3-B」との組み合わせでは生来の反応の良さが裏目に出るのか、ややノイジーな印象となってしまう。出力ゲインをL(ロー)にするとだいぶ解消されるが、本来の勢いの良さが削がれがちになってしまうのが惜しい。

SE535 Special Edition

リケーブルしたところ

そういったモヤモヤがバランス接続になると一気に解消。格別のサウンドを披露してくれた。SN感がとても良くなるため、ノイズが気にならないレベルまで低くなり、本来の魅力であるキレの良い奔放な鳴りっぷりが際立ってくれるのだ。おかげで、ヴォーカルは熱気ある力のこもった歌声を披露してくれるし、ギターなどもメリハリのよい印象的なフレーズに感じられる。なかでも、トランペットなどの金管楽器は特筆もの。まるで観客の最後列まで突き抜けるかのような、鋭く、それていて煌びやかなサウンドを聴かせてくれるのだ。

こういった表現力の高さは、音楽を楽しむ上で重要なポイント。それをしっかり実現してくれるという点で、バランス駆動のメリットを強く感じる組み合わせだ。


●ゼンハイザー「IE80」

純正ケーブルでもなかなかにいい音。メリハリのはっきりした、勢いの良いサウンドが聴ける。少しばかりフォーカス感に甘さがあるが、音楽性が犠牲になっているとは思えず、これはこれで十分なクオリティといえる。IE80の実力をしっかりと引き出している印象だ。

IE80

リケーブルしたところ

しかし、バランス出力に繋ぎ直してみると印象がガラッと一変する。ぴたっとフォーカス感があい、細部の表現までしっかりと伝わってくるようになったのだ。SN感が桁違いに良くなったのは明らかで、ダイナミックレンジも格段に広がり、通常接続より格段に印象的な演奏に生まれ変わった。特にスネアやシンバルなどの、アタックのキレの良さは素晴らしいのひとこと。おかげで、音楽のグルーブ感が格段に高まっている。楽しい。こんなに楽しいIE80は聴いたことがない。

普段の音は、完全に実力を発揮し切っているわけではないということか。IE80の奥深さを、改めて感じた次第である。少なくとも、IE80は絶対にバランス接続がいいと断言できる。


●Westone「Westone 4R」

ウェストンらしい丁寧で聴きやすいウェルバランスのサウンドをベースに、4ドライバー化によってきらっとした、インパクトのあるサウンドに仕立てたイメージの音色傾向を持つ4R。「Rx MK3-B」で聴いてもそのイメージは変わらない。聴き心地の良い、それでいて時に鋭さを垣間見せる高域の伸びが、音楽をフラットに客観的に演奏してくれている印象だ。

Westone 4R

リケーブルしたところ

その素性の良さが実は偽りのものだったと、バランス出力に切り換えてはじめて分かった。実は、若干歪みが残った、帯域バランスに偏りのある音だったのだ。バランス駆動にすることでそれらが解消され、真のフラット特性となり、声色がさらにニュートラルなものへと生まれ変わった。

加えて、歌声やギター演奏などは音に厚みが加わり、フロントラインが一歩前に出たかのような迫力が、演奏に感じられる。また、高域の伸びやかさもいくぶん素性が良くなり、ピアノの演奏などは伸びやかな音色に変わるとともに、ホールへの広がり感がずいぶんと自然なものとなった。IE80ほど顕著ではないが、4Rについてもバランス駆動が良好だったといえる。

次ページ続いて「Triple Fi10」で検証!“1964EARS”のカスタムイヤモニや、特別にヘッドホンでも試してみた

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