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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第44回】Bluetoothとひと味違う? 謎のワイヤレス伝送方式「NearFA」に迫る

公開日 2013/05/01 15:45 高橋敦
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突然現れた謎のワイヤレス伝送方式「NearFA」とは?

スマートフォン等のデバイスにおけるオーディオのワイヤレス技術といえば、その汎用性と使い勝手の良さからBluetoothがド本命。今後NFC対応が進めば接続手順もさらに大幅に簡単になるし、その優位は今後も長らく変わらないだろう。

しかし最近、それとは別にちょっと気になる、目新しいワイヤレス技術を搭載した製品が登場してきた。「Near Field Audio」、略して「NearFA」と呼ばれている技術搭載の製品だ。このNearFA、何が特長かというと「何の設定もなしにスマートフォンをスピーカーに載せるだけでスピーカーから音が再生される」というのだ。何だその謎っぷり。

気になるのでウェブで検索すると、これがSmartV Ltd.なる企業が開発してライセンス提供している技術であることまではわかる。しかしそのSmartV Ltd.が公開しているページ(http://nearfa.org)を読んでもその仕組みは明かされていない。…謎は深まるばかりだ。

こうなったら技術の詳細はともかく「そんなことが本当に実用レベルで実現されているの?」というのを実機で確認せねばなるまい。早速NearFA技術採用ポータブルスピーカー2モデルを手配した。

ひとつめはリンクスインターナショナルが販売する、“Boombero Wireless Speaker”「ZP201BK-JP」。予想実売価格4,980円。ワイヤレスなスピーカーにしては手頃な価格だ(NearFAはその特長のひとつとして低コストという点も挙げられている)。こちらの対応機種はiPhone 5、iPhone 4S、iPhone 4、iPhone 3GS、iPhone 3G、iPod touch(第4世代以降)。

ZP201BK-JP。写真のブラックの他にホワイトも用意されている。サイズは117×62×67mmの210g(電池含まず)

もうひとつは山陽トランスポートが運営するイーサプライで販売される、”置くだけスピーカー“「EEA-YW0898」。こちらはさらにお安く、直販で2,280円。こちらの対応機種は特には限定されておらず、説明書には英文で「多くのiOS機器とAndroidスマートフォンをサポートする」と記されている。

EEA-YW0898。ラバーっぽいマット仕上げのブラック。こちらのサイズは123×38×68mmの152g

NearFAとは、超短距離無線通信技術 − Bluetoothとは異なる用途に向けた製品

さて、実際に試す前に確認しておくと、このNearFAは超短距離無線通信技術だ。短距離無線通信技術であるBluetoothよりも、その通信範囲はさらにずっと短い。だからワイヤレスではあるが、スマートフォンをスピーカーの上に置いた状態でないと使えないのだ。ケーブル接続は不要になるが、スマートフォンを手元で操作しながらスピーカーで再生できるわけではない。

なのでこれは、Bluetoothの完全な対抗技術ではなくて、それとは少し別のニーズ、「とにかく簡単に手間なくスピーカーと接続したい」を満たすことを狙った技術だ。その点は最初に押さえておきたい。

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