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山之内 正が徹底試聴

ヤマハ「CD-S3000」「A-S3000」速攻レビュー − 新フラグシップの実力を検証

公開日 2013/07/11 13:10 山之内 正
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創業125周年を迎えたヤマハが久々にピュアオーディオの新作を投入する。現行シリーズ最上位のS2000を凌駕するハイエンドクラスのS3000を導入するという積極策が話題を呼ぶだろう。さらに、強力なライバルがひしめくこのカテゴリーに果たして風穴を開けることができるのか、興味は尽きない。


プリメインアンプ「A-S3000」(左)と、SACD/CDプレーヤー「CD-S3000」
ディスクプレーヤーの「CD-S3000(関連ニュース)」は重量級アンカーで制振性を追求した独自設計のメカニズムを採用し、CDとSACDそれぞれ高精度な読み取りを実現した。メカを挟んでアナログ回路とデジタル回路を左右に完全分離したことに加え、トロイダル型電源トランスを各回路に独立して用意するなど、多くのこだわりを見せる。DACはESSのSabre32(ES9018)を採用。高精度マスタークロックを内蔵し、ジッター低減のバンド幅微調整など、機能面でも注目すべき点の多い話題のDACである。

CD-S3000

CD-S3000のデジタル入力はUSB-B経由のハイレゾ音源再生にも対応しており、192kHz/24bitのPCM信号に加え、DSD信号のネイティブ再生もサポートする(2.8/5.6MHz)。ディスクプレーヤー内蔵のUSB-DACとしては最先端の仕様を満たしており、本機を選ぶ理由の一つになりそうだ。

プリメインアンプの「A-S3000(関連ニュース)」は、同社がA-S2000で導入したフローティング&バランスパワーアンプ技術をさらに進化させた全段フルバランス動作を実現しており、出力素子にはMOS FETを採用した。さらにトーンディフィート時には信号経路内にオペアンプをまったく含まないフルディスクリート構成を実現しており、そのこだわりはMCヘッドアンプとヘッドホンアンプにまで及んでいる。

A-S3000

ラダー型抵抗だけで構成された電子ボリュームも含めてバランス構成を採用しているため、CD-S3000とA-S3000をXLRケーブルで接続することにより、DAC以降スピーカー出力まで完全バランス伝送が実現することになる。ノイズの影響を受けやすい一般家庭のリスニング環境ではバランス伝送が威力を発揮することが期待でき、音質向上に果たす役割はきわめて大きいはずだ。

A-S3000はピーク/VU切り替え式の大型アナログ式メーターが目を引くが、このメーターは音質への影響をほぼ無視できるとのこと。もちろん消灯することもできる。

フロントに備えたレベルメーター。消灯することもできる

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