[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第58回】愛用ヘッドホンがバーチャルサラウンド対応に! 新アイテム「HeaDSPeaker」を試す
それはヘッドトラッキング機能。聞き慣れない機能だがどういうものかというと、画面に対する頭の向きを検出して、どちらに顔を向けても音が聴こえる方向を固定するという機能だ。
具体的に言うと、たとえば映画の台詞は多くの場面で、サラウンド音場の前方中央、画面の正面に配置されている。そこで一般的なサラウンドヘッドホンを装着した状態で顔を左に向けると、台詞は自分の向いた方向の正面に移動する。しかしヘッドトラッキング機能を使った場合、顔を左に向けると台詞は自分の右、画面の方向から聴こえる。つまり画面と台詞の位置関係が固定されるとのこと。映画館やホームシアターのマルチスピーカーによるサラウンドシステムと同じ感じになるので、より自然と言えるかもしれない。
そのヘッドトラッキング機能を使うには、
1)付属のヘッドトラッカーをヘッドホンのヘッドバンドに装着
2)本体DSPユニットをパソコン等の画面の上部に装着
以上2点が必要だ。それによって画面と顔の向きの位置関係が検知され、サラウンドに反映されるようになる。なおヘッドトラッカー機能はリモコンでオフにもでき、その際にはもちろんこの設置も不要だ。
「本体ユニットをパソコン等の画面の上部に装着」の方には、ちょっと注意点がある。本体ユニットは少し重いので、軽量のノートパソコンに装着すると、その重さでパソコンが後方に倒れ込んでしまう場合があるのだ。その場合はパソコンのディスプレイの後ろに何か支えを置くといった対策が必要となる。
■HeaDSPeakerのセッティングを開始!
では実際にセッティングを行っていこう。
DSPユニットの背面には、ヘッドホン出力、ヘッドトラッカー入力、USB入力(電源入力を兼ねる)、アナログ入力、光デジタル入力の各端子が用意されている。今回はまずパソコンとのUSB接続をテストするので、ヘッドホンとヘッドトラッカーとUSBを接続。
ケーブル接続が済んだらDSPユニットをノートパソコンのディスプレイの上部に設置。ユニットの底面にバネ式の挟み機構が用意されており、それでディスプレイのベゼルを挟めばOK。前述のように重みでノートパソコンが倒れる問題があったので、今回はディスプレイの後ろに小型スピーカーを置いて支えにした。
続いてはヘッドホンのヘッドバンドにヘッドトラッカーを装着。センサーが前を向く向きにして、マジックテープで止めるだけ。
あとはDSPユニットに接続しておいたUSBケーブルの反対側をパソコンのUSB端子に接続。そして必要に応じてパソコンのオーディオ設定で出力先の機器として本機を選択すれば準備完了だ。
■HeaDSPeakerを使って「ダークナイト」をiTunes再生で楽しむ
では早速、このためにiTunes Storeでレンタルした映画「ダークナイト」をiTunesで再生!
…と、ここまでは順調だったのだが、ここで問題が発覚した。