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【特別企画】ワンルームのアパートであらゆるソースを楽しむ

マランツ「SA-14S1」と過ごした1週間 − 編集部・小澤が全機能を自宅レポート

公開日 2013/12/10 10:30 編集部:小澤貴信
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<4日目>内蔵ヘッドホンアンプを活用しない手はない!

平日のリスニングだと、ヘッドホンとスピーカーの割合は7:3くらい。なぜなら、我が家は壁の薄いワンルームで、しかも平日は仕事で帰宅が遅い。まず大音量など出せない。そんな環境で、SA-14S1の内蔵ヘッドホンアンプは大活躍した。しかも、ただのヘッドホンアンプではない。マランツのアンプ技術“HDAM”を採用したフルディスクリート型ヘッドホンアンプを搭載しているのである。

4日目は、SA-14S1の内蔵ヘッドホンアンプを使って、徹底的にヘッドホンを聴いてみた。愛用しているシュアの「SRH940」を手持ちのUSB-DACの内蔵ヘッドホンアンプで鳴らすと、解像感は素晴らしいのだが、低域の量感や広がり感はヘッドホン自体の傾向もあってそれほど出なかった。それがSA-14S1と組み合わせると、低域の厚みも増して、まさに“鳴らし切って”くれた。

SA-14S1のハイレゾ再生の魅力は、ヘッドホンでも味わうことができた。音が繊細で柔らかくて、音量を大きくしてみ耳障りにならない。NIRVAVA『IN UTERO』のハイレゾ音源とCDリッピング(同一ミックス)を聴き比べたが、かなりの差が感じられた。例えばタムドラムのアタック音がCDだとぼやっとしているのだが、ハイレゾだと皮の質感まで生々しい。

Philipsのフラグシップとなる開放型ヘッドホン「X1」も組み合わせてみた。音の厚みが半端なく、ベースが躍動。ヘッドホンアンプの駆動力の賜物だろう

きっとハイエンド・ヘッドホンを組み合わせても良い音がするはずと思い、別件で拝借中のフィリップスの開放型ヘッドホン「X1」も組み合わせてみた。低域の躍動感がすばらしく、音場の広がりが気持ちいい。ロックを楽しく聴くのに最高だ。「X1」は高いポテンシャルを持っているが、鳴らすのが難しい印象があっただけに、改めてSA-14S1のヘッドホンアンプの実力を垣間見た。

唯一不満だったのが、ボリュームノブが小さめなので回しづらいこと。これだけのクオリティのヘッドホンアンプを搭載しているのだから、もっと主張してくれてもいいんじゃないか、と思ってしまった。

これだけの実力をもつヘッドホンアンプをせっかく搭載してるのだから、ボリュームノブももっと主張してもいいのではと感じた

<5日目>Apple TVと組み合わせてAirPlayを楽しむ(光デジタル入力)

今回はSA-14S1を1週間かけてとことん使いこなすのが目的。ならば、家で聴いているソースはSA-14S1につないで全て高音質化したい。5日目は、以前から試してみたいと考えていたApple TVとの組み合わせに挑んだ。普段はApple TVの光デジタル出力をAVアンプに入れて、iPhoneの音源をAirPlayで聴いているのだが、今回はSA-14S1の光デジタル入力に接続したのである。

「SA-14S1」とApple TVを組み合わせてAirPlay再生を高音質化しようと目論んだ

Apple TV経由でのAirPlay再生は、BGM程度の小音量で音楽を聴くときに使っている。USB-DACを使う方がもちろん音は良いので、あくまで“つなぎ”的な使用だった。しかし、SA-14S1の光デジタル入力で聴くと、音が見違える。モヤっとした感じがなくなり、抜けが良くなる。もちろん、USB-DACで再生したときと比べたら当然“それなり”の音なのだが、それでもBGMにはもったいない音質だ。

Apple TV経由でAirPlay再生したiPhoneの音源を、Apple TVから光デジタル出力して「SA-14S1」へ入力した

最近よく利用しているMusic UnlimitedもSA-14S1から再生してみた。iPhoneアプリで再生したものをAirPlayで飛ばし、AppleTVの光デジタル出力からSA-14S1へという流れだ。この方法だと、320kbps配信のポテンシャルが十分味わえる。ベッドに寝っ転がって定額サービスの音楽を漁りながらSA-14S1で再生するなんて、贅沢である。

次ページ純正アンプ「PM-14S1」と組み合わせたら・・・

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