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最新のデジタル部と最高峰のアナログ部を兼ね備えたトップエンドモデル

デノンの最上位AVアンプ「AVR-4520」を大橋伸太郎が再検証

公開日 2013/12/27 11:46 大橋伸太郎
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■Audysseyの最高峰技術を盛り込んだ音場補正機能

AVR-4520のデジタル部における3つ目の特徴が「Audyssey MultEQ XT32」の搭載である。この点については別途、Audyssey Laboratoriesの日本事務所にて、Business Development Managerの山中幹大氏と、アプリケーションエンジニアのメリック・モスト氏にその概要を伺うことができた。

Audyssey Laboratories Business Development Managerの山中幹大氏(左)と、アプリケーションエンジニアのメリック・モスト氏(右)

「Audyssey MultEQ」はTHXの創始者であるトム・ホーマン氏を中心に開発された音場補正技術で、デノンの他にも数多くのメーカーが搭載し、北米市場をはじめ世界的に好評を得ている。

Audysseyには主に測定精度と補正機能でいくつかのグレードがあり、AVR-4520はデノンとして初めて最高グレードの「Audyssey MultEQ XT32」を搭載した。通常の「Audyssey MultEQ」との差は、第1にフィルターの解像力である。精密な測定(F特とタイムドメイン)から逆特性のフィルターを生成し補正を行う点は同じだが、MultEQと比較し256倍の解像度のフィルターを使うことでより精度の高い補正を行う。特に高解像度のフィルターが必要とされる250Hz以下の低域補正に大きな効果を発揮する。もう1つの特徴が「SubEQ HT」が内部に取り込まれた点である。複数のサブウーファーを使用する際、サブウーファー間のレベルやディレイなどを事前にアライメントを取りフィルター生成を行う。結果として従来よりもスムーズなF特のレスポンスを得ることが可能となっている。

それだけではない、AVR-4520は「XT32」に加え、カスタムインストール向け「Audyssey MultEQ PRO」にも対応している。専用の高品位マイクロフォン(個体ごとの特性を測定のうえ専用の校正フィルターで調整している為シリアル番号が与えられている)で最大32箇所の精密な測定を行うプロ用の音場補正機能ある。

「Audyssey MultEQ PRO」専用の高品位マイクロフォン

この「MultEQ PRO」はIMAXシアターにも採用されているといえば、その精度の高さをシンプルにご理解いただけるだろう。あくまで一般ユーザー向けには開放されないプロ用の機能ではあるが、先に挙げた32bit処理と「D.D.S.C.-HD32」でかつてない精密な音場表現を達成したAVR-4520だからこそ、この「Audyssey Mult EQ PRO」に対応できる、と言っていいだろう。

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