【特別企画】1万字インタビュー+徹底試聴レポート
B&W新600シリーズはCMを超えたのか? D&M澤田氏インタビュー&試聴レポート
■新600シリーズのフロア型はCMシリーズの一部モデルを超えるかもしれない
フロア型の684S2はウーファーユニットを小径化することで見違えるほどスリムになったが、再生音のバランスはさらに一段階重心が下がり、見かけとは裏腹に空間スケールの余裕を感じさせる。低音ユニットとトゥイーターの間に速さの差がなく、付帯音も少ないので、どの楽器も素直に音が立ち上がり、消えるときにも余分な動きを残さない。特にベースの音域で反応が速くなり、ピアノもコントラバスも小気味良いほど動きの良い低音を堪能することができた。バスドラムの強いアタックの直後、その余韻がスーッと減衰する様子は実に爽快で、そのあたりはもしかするとCMシリーズの一部のスピーカーを越えるかもしれない。
ボーカルや独奏楽器の鮮明な音像再現はフロア型モデルでも後退することがなく、にじみのないすっきりとした感触が見事だ。声は発音がいっそう鮮明になり、ヴァイオリンやフルートは一音一音の粒立ちと分離の良さが向上。前作よりも音のイメージは確実にリアリティが上がっている。
ミッドレンジを加えた3ウェイ構成の683S2は、ローエンドが確実に下る分だけ空間再現に余裕が生まれ、ホールを満たす空気の密度感など、楽音以外の成分まで生々しく伝える力を獲得している。従来の600シリーズでは683でもここまで迫真の臨場感を引き出すのは難しかったことを考えると、特にこの683S2はたんなるモデルチェンジというよりも上位のCMシリーズにかなり近付いている印象を受ける。第4世代登場後の7年間に積み重ねた進化はそれだけ大きかったということだろう。
オーケストラは低弦の量感と実在感に余裕があり、DSDやPCMのハイレゾ音源では大量の空気が一気に動く様子が驚くほど生々しい。声の再現ではミッドレンジも重要な音域を受け持つが、ウーファーやトゥイーターとのつながりはとても自然で、どの音域にもくせがなくなめらかな質感をたたえている。他の製品に比べると大ぶりな683S2でも音像は自然に引き締まっていて、その点でもCM10を連想させる。
600シリーズには今回紹介した4機種に加えてセンタースピーカーを2機種用意している。技術的な基盤や音の志向は共通なので、今回ステレオ試聴で体験した進化はマルチチャンネル再生でも確実な成果を上げるはずだ。機会があればサラウンド再生でも検証してみたい。
フロア型の684S2はウーファーユニットを小径化することで見違えるほどスリムになったが、再生音のバランスはさらに一段階重心が下がり、見かけとは裏腹に空間スケールの余裕を感じさせる。低音ユニットとトゥイーターの間に速さの差がなく、付帯音も少ないので、どの楽器も素直に音が立ち上がり、消えるときにも余分な動きを残さない。特にベースの音域で反応が速くなり、ピアノもコントラバスも小気味良いほど動きの良い低音を堪能することができた。バスドラムの強いアタックの直後、その余韻がスーッと減衰する様子は実に爽快で、そのあたりはもしかするとCMシリーズの一部のスピーカーを越えるかもしれない。
ボーカルや独奏楽器の鮮明な音像再現はフロア型モデルでも後退することがなく、にじみのないすっきりとした感触が見事だ。声は発音がいっそう鮮明になり、ヴァイオリンやフルートは一音一音の粒立ちと分離の良さが向上。前作よりも音のイメージは確実にリアリティが上がっている。
ミッドレンジを加えた3ウェイ構成の683S2は、ローエンドが確実に下る分だけ空間再現に余裕が生まれ、ホールを満たす空気の密度感など、楽音以外の成分まで生々しく伝える力を獲得している。従来の600シリーズでは683でもここまで迫真の臨場感を引き出すのは難しかったことを考えると、特にこの683S2はたんなるモデルチェンジというよりも上位のCMシリーズにかなり近付いている印象を受ける。第4世代登場後の7年間に積み重ねた進化はそれだけ大きかったということだろう。
オーケストラは低弦の量感と実在感に余裕があり、DSDやPCMのハイレゾ音源では大量の空気が一気に動く様子が驚くほど生々しい。声の再現ではミッドレンジも重要な音域を受け持つが、ウーファーやトゥイーターとのつながりはとても自然で、どの音域にもくせがなくなめらかな質感をたたえている。他の製品に比べると大ぶりな683S2でも音像は自然に引き締まっていて、その点でもCM10を連想させる。
600シリーズには今回紹介した4機種に加えてセンタースピーカーを2機種用意している。技術的な基盤や音の志向は共通なので、今回ステレオ試聴で体験した進化はマルチチャンネル再生でも確実な成果を上げるはずだ。機会があればサラウンド再生でも検証してみたい。