<山本敦のAV進化論>第14回
【レビュー】大量のハイレゾ音源をすべて持ち運ぶ! 「Wi-Fiストレージ」で快適ポータブルオーディオ
UIはシンプルなレイアウトで、機敏なレスポンスなので操作上でのストレスはない。画面下の「My WiDrawer」を選択すればWi-Fiストレージのファイルが、「My Device」を選べばiPhone内のコンテンツがそれぞれ表示される。
ポータブルリスニング時での使用にはWi-Fi Direct接続が手軽でセキュアなのだが、一方ではスマートフォンでインターネット通信ができなくなる。本製品を有線、または無線経由でルーターにつなげれば、ストレージの機能とインターネットの両方を同時に使えるようになるので、自宅で活用する際などにはこちらの方法を選択したほうがよいだろう。
セッティングはLANケーブルでルーターやハブの空いているポートに有線接続するか、インターネットブリッジ機能により無線でルーターに接続する。これを済ませておけば、モバイル端末でWi-Fiストレージのコンテンツを再生しながらでもメールやネットが利用できる。
■実際にハイレゾ再生を試す − ハイレゾ音源の大量持ち運びが可能に
続いて本機の特徴であるハイレゾ音源のストリーミング再生を試してみる。音楽ファイルをタップすると再生が始まる。ラトックのWiDrawerアプリで再生できる音楽ファイルはWAV/AIFF/AAC/MP3/ALACの各形式。ハイレゾは最大192kHz/24bitまでサポートする。FLACには対応していないため、あらかじめPCでXLDなどのアプリケーションを使って再生可能なファイル形式に変換しておく必要がある。
Wi-Fi Direct接続の場合、iPhoneと本体が1対1の関係で接続され、データ伝送は音切れなどのエラーもなく安定している。iPhoneからLighting-USBカメラアダプターを介して、RATOC Audio LabのUSBオーディオ対応ヘッドホンアンプ「RAL-DSDHA2」につないで再生してみた。
再生中には楽曲ファイルのサンプリング周波数がアンプ側フロントパネルのランプに表示され、確かにハイレゾ再生が行われていることを確認できた。通信環境による音飛びやノイズも発生せず、ハイレゾならではの情報量と躍動感をしっかりと備えたサウンドが楽しめた。
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