【特別企画】OPPO「HA-1/PM-1」徹底検証<第1回>
OPPO「HA-1」を全方位レビュー。USB-DAC/ヘッドホンアンプに新たな注目機登場
■S/PDIFは抜けがよく切れ味のあるサウンド
続いてS/PDIFの音質を確認。PANASONICのBDレコーダー「DMR-BZT9300」の同軸デジタル出力をHA-1に繋ぎ、CDを試聴した。すっきりとキレ良いサウンドで、ボーカルはスカッと抜け、輪郭もくっきり描かれる。丁寧なタッチで、解像度も高い。BZT9300の音質機能“リ・マスター”を有効にし、176.4kHzにアップサンプリングした再生も試したが、エッジがより浮き立ち、付帯感なくリアリティが高まる。幾分張りが強くなるが、この辺りは好みもあるだろう。
■鮮度感も高く実用性の高いBluetooth入力
最後にBluetooth接続を試した。こちらはaptXに対応したシャープ製スマートフォン「WX04SH」を用いた。iOSデジタル入力と比べ、さらに空間がコンパクトになる印象だが、音の鮮度感や質感の滑らかさは遜色ない。リズム隊を中心とした低域はソリッドだが、ボーカルはエッジはやや甘くなる。ピアノやギターの旋律はクリアで、ウッドベースの胴鳴りは、弾力良く引き締まる。Bluetoothなので当然ながら圧縮伝送であるが、鮮度も高く、S/Nについても実用レベルのクオリティであることを実感した。
■アナログヘッドホンアンプとしての実力も秘めている
HA-1はアナログ入力も備え、RCAアンバランス端子とXLRバランス端子を装備する。あまり現実的ではない組み合わせだが、LUXMANのUSB-DAC「DA-06」をXLR接続し、アナログ入力の音質も確認した。OPPOとLUXMAN、双方の音作りにおけるスタンスの差が明快に表れ、興味深い結果となった。HA-1はES9018の濃密で押し出し良いパワフルなサウンドを軸にするが、DA-06は繊細かつナチュラルな傾向を大事にしたサウンドだ。この双方を組み合わせることでアナログ段のゆとりを一層強く感じることができ、制動感と滑らかな質感を両ベクトルで強めた、リアルかつ透明度の高いワンランク上のサウンドを堪能できた。
<4>検証を終えて(まとめ)
■同価格帯の単体USB-DACを超える音質を備えた万能モデル
OPPO「HA-1」は、20万円以下の価格帯のUSB-DAC内蔵のヘッドホンアンプとして、A級ディスクリートアンプの搭載など、特にアナログ部において圧倒的なスペックを誇る。USB-DACとしても、同様の価格帯の単体モデルと比較して遜色のない音質を持っていると言えるだろう。また、ヘッドホンアンプとしても、鳴らしにくいハイエンド機を含めた多様なヘッドホンを十分に鳴らせる実力を持つことが確認できた。アナログ入力を含めたプリアンプとしても高い機能を備えており、Bluetoothによるワイヤレス接続のサポートも可能とした万能ぶりには目を見張る。
どの方位に対しても妥協のない音作りをしながら、価格はリーズナブル。この点で、ポータブルオーディオを中心に楽しんでいたユーザーや、USB-DACやヘッドホンアンプの買い換えを検討している方にとって、「HA-1」はステップアップに最適なモデルとなるのではないか。
個人の多様な音楽の聴き方に合わせて活用できる多様な入力を持ち、ハイレゾ再生やバランス駆動ヘッドホンといったステップアップにも柔軟に対応できる。現行のあらゆるヘッドホンを鳴らしこめるドライブ力とこだわりの音質チューニングを行ったヘッドホンアンプのつくりも、この価格帯の製品として理想のクオリティを持っている。このクラスを代表する、一つのリファレンスとして、注目に値する製品だ。
***
次回はOPPOの平面磁界駆動型ヘッドホン「PM-1」を集中レビュー。主要なヘッドホンアンプやプレーヤーとの組み合わせテストなども実施する。また、HA-1&PM-1の純正組み合わせの音質もチェックしていく。(編集部)
続いてS/PDIFの音質を確認。PANASONICのBDレコーダー「DMR-BZT9300」の同軸デジタル出力をHA-1に繋ぎ、CDを試聴した。すっきりとキレ良いサウンドで、ボーカルはスカッと抜け、輪郭もくっきり描かれる。丁寧なタッチで、解像度も高い。BZT9300の音質機能“リ・マスター”を有効にし、176.4kHzにアップサンプリングした再生も試したが、エッジがより浮き立ち、付帯感なくリアリティが高まる。幾分張りが強くなるが、この辺りは好みもあるだろう。
■鮮度感も高く実用性の高いBluetooth入力
最後にBluetooth接続を試した。こちらはaptXに対応したシャープ製スマートフォン「WX04SH」を用いた。iOSデジタル入力と比べ、さらに空間がコンパクトになる印象だが、音の鮮度感や質感の滑らかさは遜色ない。リズム隊を中心とした低域はソリッドだが、ボーカルはエッジはやや甘くなる。ピアノやギターの旋律はクリアで、ウッドベースの胴鳴りは、弾力良く引き締まる。Bluetoothなので当然ながら圧縮伝送であるが、鮮度も高く、S/Nについても実用レベルのクオリティであることを実感した。
■アナログヘッドホンアンプとしての実力も秘めている
HA-1はアナログ入力も備え、RCAアンバランス端子とXLRバランス端子を装備する。あまり現実的ではない組み合わせだが、LUXMANのUSB-DAC「DA-06」をXLR接続し、アナログ入力の音質も確認した。OPPOとLUXMAN、双方の音作りにおけるスタンスの差が明快に表れ、興味深い結果となった。HA-1はES9018の濃密で押し出し良いパワフルなサウンドを軸にするが、DA-06は繊細かつナチュラルな傾向を大事にしたサウンドだ。この双方を組み合わせることでアナログ段のゆとりを一層強く感じることができ、制動感と滑らかな質感を両ベクトルで強めた、リアルかつ透明度の高いワンランク上のサウンドを堪能できた。
<4>検証を終えて(まとめ)
■同価格帯の単体USB-DACを超える音質を備えた万能モデル
OPPO「HA-1」は、20万円以下の価格帯のUSB-DAC内蔵のヘッドホンアンプとして、A級ディスクリートアンプの搭載など、特にアナログ部において圧倒的なスペックを誇る。USB-DACとしても、同様の価格帯の単体モデルと比較して遜色のない音質を持っていると言えるだろう。また、ヘッドホンアンプとしても、鳴らしにくいハイエンド機を含めた多様なヘッドホンを十分に鳴らせる実力を持つことが確認できた。アナログ入力を含めたプリアンプとしても高い機能を備えており、Bluetoothによるワイヤレス接続のサポートも可能とした万能ぶりには目を見張る。
どの方位に対しても妥協のない音作りをしながら、価格はリーズナブル。この点で、ポータブルオーディオを中心に楽しんでいたユーザーや、USB-DACやヘッドホンアンプの買い換えを検討している方にとって、「HA-1」はステップアップに最適なモデルとなるのではないか。
個人の多様な音楽の聴き方に合わせて活用できる多様な入力を持ち、ハイレゾ再生やバランス駆動ヘッドホンといったステップアップにも柔軟に対応できる。現行のあらゆるヘッドホンを鳴らしこめるドライブ力とこだわりの音質チューニングを行ったヘッドホンアンプのつくりも、この価格帯の製品として理想のクオリティを持っている。このクラスを代表する、一つのリファレンスとして、注目に値する製品だ。
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次回はOPPOの平面磁界駆動型ヘッドホン「PM-1」を集中レビュー。主要なヘッドホンアンプやプレーヤーとの組み合わせテストなども実施する。また、HA-1&PM-1の純正組み合わせの音質もチェックしていく。(編集部)