【特別企画】岩井喬が本社&製造現場を取材
注目の新鋭ケーブルブランド「AVINITY」のドイツ本社で確認した驚くべき製品開発力
■最新スピーカーケーブル“MAGIC SILVER PRO”を聴く
まずAY-SP-MSP 4.0であるが、音像の輪郭をくっきりと描き出し、楽器間の距離や余韻の階調性も細やかで、とてもバランスが良い。低域の制動力も適度に備え、ウッドベースの胴鳴りは弾力良く、弦のタッチもしなやかだ。ボーカルの質感も素直で、ボトムの厚みもナチュラルに表現。口元はほんのりと艶が感じられ耳当たりが良い。伸び良く生き生きとした音像の浮き立ち感も健康的である。癖も抑えられ、どんなジャンルでもそつなく鳴らしこんでくれる印象だ。付属ケーブルからの買い替えには最適なハイC/Pモデルといえるだろう。
続いてAY-SP-MSP 6.0であるが、低域の押し出しに余裕が生まれ、リッチかつ落ち着きあるサウンドとなる。オーケストラの旋律はほぐれ良いが、リリースの厚みが十分で余韻の潤い感もしっかりと表現。全体的にしなやかなサウンドであり躍動感の良いハーモニーを聴かせてくれる。解像感も高いが、誇張感のない自然で伸び伸びとしたリリース表現も美しい。ボーカルや弦楽器は肉付きも良く有機的に描写。声質のウェットさや滑らかさはスムーズで非常に聴きやすい音色だ。細やかなパートは粒立ち滑らかに描き、各楽器を音離れ良く浮き立たせてくれる。空間性も豊かで音場の情報量もAY-SP-MSP 4.0より数段増す。音像のリッチさと耳当たり良い素直な倍音感をバランス良く融合させたサウンド傾向であり、真空管アンプとの相性も良い。
ニュートラルな傾向が好みであればAY-SP-MSP 4.0、適度なリッチ感と音場の情報量が欲しいのであればAY-SP-MSP 6.0のチョイスが良いだろう。いずれにしても価格帯を超える物量とバランスの良さは両モデルとも共通であり、ヨーロピアン・スピーカーケーブルの新たなスタンダードとなり得るハイC/Pを誇るモデルといえる。
■本社や製造体制を見てAVINITYの存在感が増した理由を理解した
今回のAVINITY取材のなかでスピーカーケーブル以外の新製品で個人的に気になったものを、最後に軽く紹介しておきたい。それは『Hi-End 2014』でも出展されていたAVINITY初のヘッドホン「AHP-967」だ。Hamaがドイツ国内のディストリビューションを担当しているベイヤーダイナミックとのコラボレーションによる限定品だ。ケーブルはAVINITYのプレミアムクラスのものを取り入れたほか、ドライバーも専用設計となっており、ボイスコイルの導体をAVINITYから提供しているとのこと。この開発にはAVINITYのプロダクトマネージャーであるCarsten氏がベイヤーダイナミックのサウンドに心酔していたこともあり、コラボレーションを提案したのだという。こちらの国内導入も楽しみなところだ。
これまでもC/Pの高いHDMIケーブルやF型アンテナケーブルなど、魅力的なAVINITYの製品群が紹介されてきたが、今回明らかになった新製品に加え、まだまだ開発中のプレミアムモデルもあるそうなので、今後のAVINITYの展開にもぜひ注目したいところだ。AVINITY製品は今までありそうでなかったリーズナブルなヨーロピアン・オーディオケーブルのスタンダードとして年々存在感を増している。この日本でもより多くのユーザーにその素晴らしさを味わっていただきたいと思う。
まずAY-SP-MSP 4.0であるが、音像の輪郭をくっきりと描き出し、楽器間の距離や余韻の階調性も細やかで、とてもバランスが良い。低域の制動力も適度に備え、ウッドベースの胴鳴りは弾力良く、弦のタッチもしなやかだ。ボーカルの質感も素直で、ボトムの厚みもナチュラルに表現。口元はほんのりと艶が感じられ耳当たりが良い。伸び良く生き生きとした音像の浮き立ち感も健康的である。癖も抑えられ、どんなジャンルでもそつなく鳴らしこんでくれる印象だ。付属ケーブルからの買い替えには最適なハイC/Pモデルといえるだろう。
続いてAY-SP-MSP 6.0であるが、低域の押し出しに余裕が生まれ、リッチかつ落ち着きあるサウンドとなる。オーケストラの旋律はほぐれ良いが、リリースの厚みが十分で余韻の潤い感もしっかりと表現。全体的にしなやかなサウンドであり躍動感の良いハーモニーを聴かせてくれる。解像感も高いが、誇張感のない自然で伸び伸びとしたリリース表現も美しい。ボーカルや弦楽器は肉付きも良く有機的に描写。声質のウェットさや滑らかさはスムーズで非常に聴きやすい音色だ。細やかなパートは粒立ち滑らかに描き、各楽器を音離れ良く浮き立たせてくれる。空間性も豊かで音場の情報量もAY-SP-MSP 4.0より数段増す。音像のリッチさと耳当たり良い素直な倍音感をバランス良く融合させたサウンド傾向であり、真空管アンプとの相性も良い。
ニュートラルな傾向が好みであればAY-SP-MSP 4.0、適度なリッチ感と音場の情報量が欲しいのであればAY-SP-MSP 6.0のチョイスが良いだろう。いずれにしても価格帯を超える物量とバランスの良さは両モデルとも共通であり、ヨーロピアン・スピーカーケーブルの新たなスタンダードとなり得るハイC/Pを誇るモデルといえる。
■本社や製造体制を見てAVINITYの存在感が増した理由を理解した
今回のAVINITY取材のなかでスピーカーケーブル以外の新製品で個人的に気になったものを、最後に軽く紹介しておきたい。それは『Hi-End 2014』でも出展されていたAVINITY初のヘッドホン「AHP-967」だ。Hamaがドイツ国内のディストリビューションを担当しているベイヤーダイナミックとのコラボレーションによる限定品だ。ケーブルはAVINITYのプレミアムクラスのものを取り入れたほか、ドライバーも専用設計となっており、ボイスコイルの導体をAVINITYから提供しているとのこと。この開発にはAVINITYのプロダクトマネージャーであるCarsten氏がベイヤーダイナミックのサウンドに心酔していたこともあり、コラボレーションを提案したのだという。こちらの国内導入も楽しみなところだ。
これまでもC/Pの高いHDMIケーブルやF型アンテナケーブルなど、魅力的なAVINITYの製品群が紹介されてきたが、今回明らかになった新製品に加え、まだまだ開発中のプレミアムモデルもあるそうなので、今後のAVINITYの展開にもぜひ注目したいところだ。AVINITY製品は今までありそうでなかったリーズナブルなヨーロピアン・オーディオケーブルのスタンダードとして年々存在感を増している。この日本でもより多くのユーザーにその素晴らしさを味わっていただきたいと思う。