<山本敦のAV進化論>第19回
Androidスマホでテレビを“快適に”楽しむ方法
フルセグ録画機能付きのモデルであれば、録画してから後でみるという手もあるが、その間は電波感度の良い所に端末を置いておく必要があるので、これもやはりスマホの普段使いとしては非現実的だ。やはり今回のテーマである「快適に楽しむ」ための手段を追求するのであれば、外部周辺機器を導入するメリットについて熟考したほうが道が開けてきそうだ。
「USBタイプの外付けチューナーを使う方法」については、スマートフォンと一緒に携行して使う必要があるものの、内蔵チューナーで視聴するよりも安定して高品位な画質が得られる点はメリットとして捉えられる。フルセグモデルについては今のところピクセラの製品しか商品化されていないため他との比較ができないが、USBスティックほどの本体サイズなので可搬性が高くかさばらないのが好感触。宅内などフルセグの受信感度が得づらい時にはアンテナ周りの付属品も付いてくるので安心だ。本機についてはWindows PCやタブレットでも使えるので、様々なデバイスで使い回せるのも良い。
また、テレビを見ながらインターネットができる「ながら見」はテレビ好きのかゆいところに手が届く機能だ。一方でデメリットになるのが、チューナー本体のバッテリーをUSB接続したスマートフォンから引っぱってくるため、スマートフォンのバッテリー切れを常にケアしなければならないところだろう。
3つめの戦略となる「ポータブルTVチューナー」のメリットは色々ある。まずはスマートフォンと別筐体でWi-Fi接続するので、宅内で使う場合はチューナーを受信感度の良い場所に置いて、スマートフォンで自由に宅内を移動してテレビが楽しめる。Wi-Fiの電波さえ届くようであれば、防水スマートフォンと組み合わせて“お風呂TV”だってできる。
ただ、このカテゴリの製品もAndroid対応のものが少ないので、ドコモの「TV BOX」とauの「ポータブルTVチューナー」で考察をした場合ということになってしまうのだが、両製品ともにチューナー本体を動かすためのバッテリーは内蔵されている。しかもTV BOXの場合はモバイルバッテリーの機能も搭載しているので、スマートフォンを充電しながらテレビが見られるのもポイントが高い。また本機は地上デジタル放送だけでなくNOTTVの番組も楽しめるチューナーだ。
デメリットはやはり、本体のサイズがある程度大きくなってくるので持ち運びがやや面倒なことだ。またTV BOXについては宅内ネットワークで視聴する際にはスマートフォンと直接Wi-Fiで接続する方法と無線ルーター経由の両方で接続ができる仕様だが、auのポータブルTVチューナーは直接接続のみとなるため、テレビの視聴中にインターネットが使えなくなる。そのため、テレビをみながらTwitterのタイムラインやメールをチェックするといった要望には応えられない。
■据え置き系の“メリットとデメリット”
続いて4つめの「据え置き型のワイヤレステレビチューナーを使う方法」。まず始めにメリットとして考えられるのが、外付け・ポータブルチューナーのようにスマートフォンと一緒に持ち歩く必要がないことだ。テレビの電波はアンテナ線から取ってくるので、ネットワーク環境が安定していればチューナー周辺機器を使うよりも画質面でのアドバンテージは高い。デメリットについては、この後の5つめの方法である「BDレコーダーを活用する方法」と重なるので、そこでまとめて言及したい。