【第94回】俺はいま…4Kを超える！ 5K＝5,000円前後イヤホン7機種一気聴き！

■Sony「MDR-XB70」（実売目安：5,610円）

低音を唸らせつつバランスも改善した新XB

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ソニーの「EXTRA BASS」シリーズといえばオーテクの「SOLID BASS」シリーズと並んで低音強化イヤホン＆ヘッドホンを代表するシリーズ。しかしどちらの低音も音像を緩めて大柄に響かせるタイプだったので、「俺は低音が好きなのは好きなんだけれど俺が好きなのは引き締まった低音なんだよ！」という方にはハマらないシリーズだったことは否めない。

ところが、今年初頭に発売された新「EXTRA BASS」シリーズはそのあたりの傾向が大きく変化している。特に上位モデルであるこの「MDR-XB70」の低音は、絶対的にソリッドというわけではないが、従来よりは明らかにソリッド。16mm径と同等のドーム部面積を持つがしかし実際には12mm径、それを高磁力マグネットで駆動するという新型ドライバーや、切削アルミニウムハウジングの威力も大きいだろう。しかしそれを採用した意図も含めて、開発時の音作りの方向性から「新しいEXTRA BASSサウンドを！」という変化があったのではないかとも思える。

ベースは、歴代シリーズはもとより、同世代の下位モデル「MDR-XB50」とくらべても、より引き締まっている。といっても一般論的にはやはり膨らませてボリューム感を出しているタイプではあるので、「低音重視イヤホンの中では引き締まった部類の低音」と受け取ってほしいしい。何にせよ、ベースやバスドラムが「ボワン」とする感じはかなり緩和されており、時にはゴリッとくる骨太さも感じさせてくれる。低域の調整と高域自体のクリアさの改善が合わさってか、ボーカルやシンバルの存在感やシャープさも、わかりやすくなっている。全体として「低音重視の枠からはみ出ることはなく、しかし全体のバランスを改善」と言えるのではないだろうか。「これがちょうどよい」という方も多いのではないかと思う。


■終わりに

というわけで今回は5K＝5,000円前後のイヤホンからおすすめモデルをピックアップして紹介させていただいた。最新モデルにはさすがの進化があるし、一方でちょっと古いモデルも、発売当時の価格が8,000円とか1万円クラスだったものが現在の実売では5,000円クラスなわけで、実力的には遜色ない。今回ピックアップしたのは5Kイヤホンの中のほんの一部だが、新旧合わせた膨大な選択肢の中から自分好みのイヤホンを見つける、その参考にしていただければと思う。

高橋敦　TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。

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