[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第90回】「リケーブル」徹底解説! 基礎知識から選び方、聴き比べまで濃密レポート
■高橋敦が徹底解説! 絶対領域的イヤホンリケーブルのススメ
「リケ女=理系女子」が注目を集めた昨今。理系美女に冷たくなぶられたい思いはすべての男子に共通にちがいない。ちがいない!
しかしイヤホン&ヘッドホンファンとしては、「リケ」と来れば「リケーブル」だ。例のニュースを見聞きして「リケ女?…リケ…リケ…リケーブル!興味はあったけれどまだ試してないな。あれってどんな効果を期待できて、どうやって選べばいいんだろう?」と思った方も多いにちがいない。ちがいない!
というわけで今回は、リケーブルの基礎知識をまとめてみよう。本当に基礎的なところから説明していくので、「それは知ってる」という部分は情け容赦なく読み飛ばして、ざざっと眺めて気になったところだけチェックしていただければOKだ。
<目次>
・リケーブルって何?
・リケーブルすると何がよくなるの?
・製品選びのポイント:音質編
・製品選びのポイント:使い勝手
・製品選びのポイント:端子(プラグ)の種類
・製品選びのポイント:バランス接続・駆動
・実際にリケーブル製品を試してみる
■リケーブルって何?
「リケーブル」は「リ」+「ケーブル」。「リ」は英語の接頭辞の「Re」で「リサイクル」等のそれと同じ。「再び」といったような意味合いだ。「リケーブル」は「ケーブル接続をやり直す」といったような意味になる。製品にもとから付いているケーブルを取り外し、代わりに他のケーブルを付ける作業、それによって音質の調整を行う手法のことだ。
もっとも、ケーブルが取り外し可能なのが当然でケーブル交換が以前から普通に行われてきた据え置きのオーディオ機器では、「リケーブル」なんてかっこいい呼び方はされていない。普通に「ケーブル交換」だ。「リケーブル」はイヤホン&ヘッドホン界隈での新語、新手法と言える。
いま「新語」「新手法」と書いたが、イヤホンやヘッドホンのリケーブルが定着したのは近年のことだ。音元出版の隔年発売誌「ケーブル大全」においてリケーブルが大きく扱われたのは、2011年版に掲載された岩井喬氏の執筆による見開き記事が初めてのはず。その時点で「人気急上昇中の注目ジャンル」という扱いだ。
その時期にリケーブルが注目され始めた要因は、まずは「イヤホン&ヘッドホンの流行」が前提。そしてそれに加えて当然、「リケーブルできるイヤホン&ヘッドホンが増えた」ことだ。
つまりその時期に、「ケーブルが端子で着脱可能になっていて容易に交換できる」製品が増えてきた。そういう製品は以前からあるにはあったが(ゼンハイザー「HD 650」やAKG「Studio」シリーズなど)、それが一気に増え始めたのがその時期ということだ。それに合わせてそれをターゲットにしたリケーブル製品も増えてきて注目も集まり…という具合だ。例えばシュアのイヤーモニター「SE」シリーズがMMCX端子によるケーブル交換機能を採用したことは、その流れを作った要因のうちのひとつだろう。
端子によるケーブル着脱機能の多くは、そもそもは特にプロユースにおいての修理のしやすさを高めるための機能だった。イヤホンやヘッドホンで最も頻発する故障であるケーブルの断線(接触不良)をさっと直して長く使い続けられる、予備のケーブルさえ用意してあれば現場ですぐさま対処もできるというのが、その狙いだったはずだが…
しかしオーディオファンにしてみれば「ケーブル交換できるの?…だったら交換して音質を調整できるじゃん!」となるわけで、実際にそうなったのが昨今の「リケーブル」というわけだ。
「リケ女=理系女子」が注目を集めた昨今。理系美女に冷たくなぶられたい思いはすべての男子に共通にちがいない。ちがいない!
しかしイヤホン&ヘッドホンファンとしては、「リケ」と来れば「リケーブル」だ。例のニュースを見聞きして「リケ女?…リケ…リケ…リケーブル!興味はあったけれどまだ試してないな。あれってどんな効果を期待できて、どうやって選べばいいんだろう?」と思った方も多いにちがいない。ちがいない!
というわけで今回は、リケーブルの基礎知識をまとめてみよう。本当に基礎的なところから説明していくので、「それは知ってる」という部分は情け容赦なく読み飛ばして、ざざっと眺めて気になったところだけチェックしていただければOKだ。
<目次>
・リケーブルって何?
・リケーブルすると何がよくなるの?
・製品選びのポイント:音質編
・製品選びのポイント:使い勝手
・製品選びのポイント:端子(プラグ)の種類
・製品選びのポイント:バランス接続・駆動
・実際にリケーブル製品を試してみる
■リケーブルって何?
「リケーブル」は「リ」+「ケーブル」。「リ」は英語の接頭辞の「Re」で「リサイクル」等のそれと同じ。「再び」といったような意味合いだ。「リケーブル」は「ケーブル接続をやり直す」といったような意味になる。製品にもとから付いているケーブルを取り外し、代わりに他のケーブルを付ける作業、それによって音質の調整を行う手法のことだ。
もっとも、ケーブルが取り外し可能なのが当然でケーブル交換が以前から普通に行われてきた据え置きのオーディオ機器では、「リケーブル」なんてかっこいい呼び方はされていない。普通に「ケーブル交換」だ。「リケーブル」はイヤホン&ヘッドホン界隈での新語、新手法と言える。
いま「新語」「新手法」と書いたが、イヤホンやヘッドホンのリケーブルが定着したのは近年のことだ。音元出版の隔年発売誌「ケーブル大全」においてリケーブルが大きく扱われたのは、2011年版に掲載された岩井喬氏の執筆による見開き記事が初めてのはず。その時点で「人気急上昇中の注目ジャンル」という扱いだ。
その時期にリケーブルが注目され始めた要因は、まずは「イヤホン&ヘッドホンの流行」が前提。そしてそれに加えて当然、「リケーブルできるイヤホン&ヘッドホンが増えた」ことだ。
つまりその時期に、「ケーブルが端子で着脱可能になっていて容易に交換できる」製品が増えてきた。そういう製品は以前からあるにはあったが(ゼンハイザー「HD 650」やAKG「Studio」シリーズなど)、それが一気に増え始めたのがその時期ということだ。それに合わせてそれをターゲットにしたリケーブル製品も増えてきて注目も集まり…という具合だ。例えばシュアのイヤーモニター「SE」シリーズがMMCX端子によるケーブル交換機能を採用したことは、その流れを作った要因のうちのひとつだろう。
端子によるケーブル着脱機能の多くは、そもそもは特にプロユースにおいての修理のしやすさを高めるための機能だった。イヤホンやヘッドホンで最も頻発する故障であるケーブルの断線(接触不良)をさっと直して長く使い続けられる、予備のケーブルさえ用意してあれば現場ですぐさま対処もできるというのが、その狙いだったはずだが…
しかしオーディオファンにしてみれば「ケーブル交換できるの?…だったら交換して音質を調整できるじゃん!」となるわけで、実際にそうなったのが昨今の「リケーブル」というわけだ。
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