デレたお嬢様の妹、それが「MOMENTUM On-Ear」
人気女性声優8人×8色カラバリ総チェック! 推しタイトルをゼンハイザー「MOMENTUM On-Ear」で聴く
●IVORY|喜多村英梨「掌 -show-」
ここは単に白ということではなく黒と白のコントラストが似合う方ということでキタエリさんを選出。うん、まあただ「掌 -show-」を選びたかったという面も否めないが…
そんなわけでこの曲だが、「ドリームシアターのような展開の曲をパンテラの暴虐さで演奏してJポップならではのキャッチーなメロディを声優アーティストがパワフルに歌う」という、日本でしかあり得ないポップスだ。そしてこれとモメたむとの相性が抜群!
まずギターサウンドがよい!荒いエッジ感でザクザクでありつつ粘りのある厚みもあり、頻発されるピッキングハーモニクスの倍音、その瞬発的な高音の唸りっぷりもギュワーッ!と豊かだ。
ギターが大暴れする曲だと下手するとベースとドラムスは埋もれやすいのだが、この曲のベースとドラムスは特に低い音域を活用したアレンジでギターとの棲み分けをはっきりとさせている。そうなるとその「特に低い帯域」の再現性が足りない再生環境だときついわけだが、モメたむはその点も問題なし。ボトムを這うようなベースラインも、ツーバスの細かな高速アクセントもクリアに届けてくれる。なので高域から低域まで演奏全体のバランスがいい。強いて言えばシンバルはもう少し鋭く抜けるとなおよいか。
声の抜けのよさは、これはキタエリさんの声質と歌いっぷり、それを捉えた録音の勝利だろう。超高密度かつヘヴィな演奏に全く埋もれずに突き抜けてくる。モメたむがそのボトルネックになることもない。
●BLACK|野水いおり「DARAKENA」
声優としては野水伊織、シンガーとしては野水いおりの名前を使い分け、「アニスパ!」リスナーには安心感を、「野水いおりの厨ニ病をこじらせたワタシがアンタたちも道連れにしてやるラジオ」リスナーには不安感を与えるという、二面性のある活動を展開。後者のいおりんさんはまさに漆黒、厨ニブラックだ。
この曲は喜多村英梨さん「掌 -show-」ほどではないがハードタッチ。あちらがプログレメタルだとしたらこちらはメロスピ寄りといった感じだろうか。何にせよ例えば特にドラムスがすかっとした抜け方をするのであちらよりは音が軽いのだが、モメたむは中低音をプッシュしてそこを軽すぎないようにしてくれる。なかなかよいバランス、相性だ。
また音数の多さの割にはアレンジやミックスで音が巧く整理されている曲だなという印象もある。「再生環境の解像度が高くないと音が分離しない」みたいな要求は強くは感じない。いおりんさんの声もパワー型ではないが細身で抜けがよく、自然に通る。モメたむはそっち方向(解像度とか事細かな描写とか)も確保してはいるが特別に強いわけではないので、そこらへんの要求がないこの曲とは付き合いやすい感はある。
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