デレたお嬢様の妹、それが「MOMENTUM On-Ear」
人気女性声優8人×8色カラバリ総チェック! 推しタイトルをゼンハイザー「MOMENTUM On-Ear」で聴く
●RED|上坂すみれ「来たれ!暁の同志」
赤い衝撃、同志上坂すみれさん。この2010年代に90年代スーパーユーロビートを成立させるだけの勢いを持つ、現代のサブカルアイコンだ。
というわけでこの曲は「わかりやすすぎるほどに典型的な」ユーロビートであることにこだわった曲。そこで重要なのがこれでもかと連発させるオケヒ、オーケストラ・ヒットのキレっぷり。「ジャンジャンジャン!ジャジャジャン!ジャンジャンジャン!ジャジャジャン!フウーッ!」みたいなキメフレーズ、そしてあの音色だ。モメたむはそれをアナログシンセ的な肉厚さで描き出してくれる。その厚みでいてキレもあるので、この曲にふさわしい強引な迫力だ。そのオケヒからの「生産!団結!反抑圧!」は実に力任せの勢いがあって素晴らしい。
この曲は音の質感としてはボーカルも含めて全体におそらくあえての荒さを出してあるのだが、モメたむはそこをさらにもう一押し炸裂させてくれる。クリアなエッジ感ではなく荒い歪み感なのだがそれがよい。その荒さの成分(帯域)とモメたむの得意な帯域がうまくマッチしているのではないかと思う。
この曲の強引なキメキメ感を満喫したいならモメたむとの組み合わせはなかなか良好と言えるだろう。
●BLUE|小松未可子「波乗りグライダー」
主演作「モーレツ宇宙海賊」の印象で「地球型惑星の青」のイメージもあり、この夏この新曲は「夏の空と海」が頭に浮かぶ曲だ。今回のブルー声優はみかこしさんでいかせてもらおう。
というわけでこの曲だがまずは、ぐいぐいとドライブするベースとハードなギターにあえてスカスカのドラムスを合わせたリズムが印象的。ハードなリズムだが暑苦しすぎない。しかしモメたむはこの曲のベースとは波長(プッシュする帯域)が合ってしまうようで、その低音が少し膨らんでしまう傾向。なのでリズムがちょっともたついてしまってはいるが、これくらいにボリュームのあるベースの方が気持ちいいという方もいるだろうし、ちょっと好みではないという方でもそんなには気にならないだろう。
というのもこの曲のミックスはボーカルを特に立たせるように音の配置やバランスが調整されており、他の楽器の音の多少の変化はさほど気にならないのだ。ボーカル入りの曲というのは基本的にそういうものなのだが、この曲は特にそう感じる。このあたりはボーカルもののミックスとして巧みだ。
そしてそのボーカルは、多彩な表現力を備えるみかこしさんのストレートモード全開という感じで、その声質や歌い方のすぱっと抜ける気持ちのよさがポイント。モメたむはその点の再現性は十分だ。
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