折原一也がレポート
<IFA>湾曲/直下型/4K有機EL − テレビの最新トレンドと画質インプレッション総まとめ
パナソニックは同社4K液晶テレビの上位機種である、直下型LEDバックライト採用機“4K VIERA”AX900/940シリーズを公開した(関連ニュース)。日本で発売されているAX800の次世代にあたるモデルで、AX900に65/55型、AX940には85型の1モデルのみをラインナップしている。
AX900は、統合プロセッサーに現行のAX800シリーズから処理スピードを高速化した最新LSIを搭載。ローカルディミングを行う映像処理回路も従来の3×3ブロックから5×5ブロックで解析を行うようになり、エリア分割数は128を実現。アルゴリズムの改良と合わせて効果的なバックライト制御を実現、HDMI 2.0の4K/60p対応の映像入力、YUV4:4:4の信号処理までも可能とした。
実際にAX800からの画質向上は一目瞭然で、テスト信号を表示した際にはクロマエラーのない緻密でキレある映像を映し出す。実写映像でも、色純度の向上から立体感の増すような鮮鋭感があり、より色の深みを増したリッチな画質を実現している。
直下型バックライトの制御アルゴリズムの最適化による黒の締まりについても、パナソニック自ら「液晶テレビながら最新のLEDバックライト制御により、諧調も含めてトータルで性能を確保できた」と宣言するほど画質が向上。デモ展示は同社のプラズマディスプレイ「ZT60」と比較視聴を行っていたが、バックライト制御を最適化することで黒側の沈み、諧調性ともに上回り、満を持して液晶による”PDP越え”を果たした高画質モデルとなりそうだ。
ちなみにパナソニックの“4K VIERA”AX630シリーズには、最小40型モデルもラインナップしている。価格は欧州市場での展示売価で949ユーロ程度を予定しており、日本での小型・4Kモデルへの展開も期待できそうだ。
■エリア駆動や色補正などでも高画質をアピール
パナソニックと並んで高画質デモを熱心に行っていたのがサムスンだ。