【特別企画】鴻池賢三・海上忍・折原一也の3氏が体験
連載第3回:評論家3名が徹底討論!体験して分かった「ひかりTV 4K」の実力と魅力
NTTぷららが運営するIPTVサービス「ひかりTV」が日本で初めて商用サービスを開始する予定の4K VOD配信。同サービスの特徴を紹介した前々回(関連記事)、貝山知弘氏と山之内正氏による画質レビューをお届けした前回(関連記事)に続き、今回はさらに3名の評論家がコンテンツを視聴。鴻池賢三氏、海上忍氏、折原一也氏の3名が、ひかりTV 4K VODの画質や意義、魅力を語り合った。
■ひかりTVの4Kは「4K映像の良さを十分感じられる出来」
ーーひかりTVが10月から4K VOD配信の商用サービスを開始します。日本初の商用4Kサービス登場がこのタイミングというのは、皆さんの予想と比べて早かったですか?
折原 早かったですね。このタイミングで本当に始められるのかと少し驚いてしまいました。
ーーでは、最初にズバリ訊いてしまいますが、ひかりTV 4K VODのコンテンツを実際に視聴してみてのご感想はいかがですか?
鴻池 過去のデモではブロックノイズが出ていたりしたこともあって、今日の取材の前までは、どこまでのレベルに仕上げてくるのか正直心配な部分もありました。しかし実際に見てみると、引きで撮ったときの空気感や距離感も出ていたりと、30Mbpsという低めのビットレートでも4K映像の良さを十分感じられましたね。ひかりTVのオリジナル4Kコンテンツについては、撮影時に様々なカメラを使用しているとの説明も受けましたが、そのカメラの違いもちゃんと感じられました。
ーービットレートについては、現在のネット回線をそのまま利用して4K信号を配信できるように約30Mbpsに設定したとのことです。4Kを見るにあたって特別に回線を契約し直す必要などはない、というのも今回のひかりTV 4K VODの利点のひとつですね。
折原 4K/30Mbpsくらいの映像は今までもいくつか見てきましたが、今日の映像は今まで見た4Kで一番キレイでした。過去に見てきたH.265で圧縮した4Kコンテンツには、帯域が厳しいということもあり、正直、フルHDに負けていると感じるレベルのものもありました。しかし今回の取材では、「商用サービスにむけてかなり進んできているな」と感じられました。
海上 30Mbpsでこのクオリティは確かに良いですよね。HEVCエンコードのチューニングなども10月のサービスインまで追い込んでもっと伸びしろがあるということですし、期待できる出来でした。帯域に上限があるなかでも、クオリティを高めていける余地はまだまだありそうだなという印象です。固定ビットレートでこのレベルまで来ているのだから、可変ビットレートを使えばもっとよくなるでしょうし、サービスイン後もさらなる画質向上が期待できる余地がありますね。そのあたりにも期待したいところです。