【特別企画】鴻池賢三・海上忍・折原一也の3氏が体験
連載第3回:評論家3名が徹底討論!体験して分かった「ひかりTV 4K」の実力と魅力
■「フルHDと4Kとの次元の違いを改めて感じられた」
鴻池 テレビ、つまりハードウェア側もまだまだ進化するでしょうしね。加えて言うなら、ひかりTV自身がコンテンツを作って4K制作のノウハウを蓄積している点も好印象ですね。
海上 例えばDVDが出始めた頃も、エンコード技術がしっかりしておらず、作品によって画質にバラツキがありました。4Kもそれと同じような状況にあるのかなと感じていますが、今後、ひかりTV以外にも様々なサービスが4Kに参入してきて、サービスによって画質に差が出ることも予想されるなかで、一番最初にサービスインするアドバンテージはあると思いますね。
鴻池 確かにそうですね。VOD配信で言えば、コンテンツのエンコードノウハウでも画質が決まりますからね。
折原 ひかりTVのオリジナル4Kコンテンツについてということでは、映像の見せ方も4Kを意識して工夫しているなと感じました。フルHDでの撮影では難しい、被写界深度の浅い映像であったりとか、画面全体が細かく動いているような映像であったり、4Kの情報量がないと描けない映像を意識的に入れていますよね。
また、4Kというと解像度ばかりが注目されがちですが、色も良かったですね。例えば「相撲 in 4K」では濃厚な色が出ていました。フルHDと4Kだと映像体験の次元が違うなというのを改めて感じさせられました。
鴻池 国技館のなかの雰囲気だとか、力士の肌の質感などもちゃんと表現できていましたね。観衆の顔もちゃんと分かる映像でしたし。相撲好きの知人がいるのですが、もしかしたらこの映像に映っているんじゃないかと探してしまいました(笑)。
折原 枡席の観客の顔も分かりますからね(笑)。
鴻池 真面目な話、「やっぱり4Kはいいな」と思わせてくれる質を持った映像に仕上がっていましたね。
折原 今回の取材ではサッカーの4K映像もありましたが、先のブラジルワールドカップではFIFAとソニーが4K撮影を行っていました。今後4Kが本格的に普及すると、もしかしたらFIFAがW杯を4K配信するなんてことも可能性としては考えられるかもしれません。もしそうなったときに4Kを語るためにも、ネイティブ4K画質を見ておかないとなと思わされましたね。
鴻池 やはりフルHD映像のアップコンバートとは、色もコントラストも、何もかも違いますよね。