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【特別企画】連続レポート第2回

マークレビンソンのUSB-DAC内蔵プリメイン「No585」のハイレゾ再生を山之内正がレビュー

公開日 2014/12/03 11:30 山之内 正
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マークレビンソンから登場する待望のプリメインアンプ「No585」は、USB-DACを搭載したことでも注目を集めている。No585の連続レビューの第2回目は、山之内正氏がUSBを含むデジタル入力を中心にチェック。ハイレゾ音源をどこまで再生できるのか検証した。

※第1回目:角田郁雄氏による「No585」レポートはこちら

MARK LEVINSON「No585」

ハイレゾ対応USB-DACを含むデジタル入力を搭載

マークレビンソンのプリメインアンプ「No585」(関連ニュース)にUSBを含むデジタル入力が搭載されたと聞き、ディスクとパソコンを携えて輸入元であるハーマンインターナショナルの試聴室に出かけた。

用意されていたNo585は想像していたよりも大きく、存在感のある筐体がいかにも立派な姿で鎮座していた。質量は30kgを超え、国内ブランドのプリメインアンプで最大級と思われるデノンのPMA-SX1よりもさらに10mm以上背が高く、奥行きも数mm深い。デュアルモノ構成の基本回路配置やパワーアンプ級の強力な電源回路、そして物理的距離を確保した基板の階層構造など、音質を優先した結果が形に現れているのだ。

No585の筐体内部。音質を優先した結果が内部構成に現れている

なお、本機のUSB入力は、Windows/Macでの192kHz/24bitまでのハイレゾ再生に対応。DSDについてはASIOのみに対応し、5.6/2.8MHzの再生が可能。Windows用の専用ドライバーはハーマンインターナショナルのサイトで配布が予定されている。

試聴時に用いた機器も紹介しておこう。SACDプレーヤーにはNo585と同じくマークレビンソンの「No512」、スピーカーはJBLの「Project K2 S9900」を組み合わせ、まずはCDとSACDの音を聴いた。プレーヤーとアンプ間はバランスケーブルで接続している。

まずはSACDとCDを試聴して基本音質を検証

ムジカ・ヌーダの『Complici』に入っている「Aire」は、J.S.バッハのG線上のアリアを編曲したボーカルとベースだけのシンプルな曲だ。No585は声が立ちがる直前の静寂感を際立たたせ、アンプとしての基本的なS/Nの良さを印象付ける。ノイズを徹底して抑えた絶対的な静けさはもちろんだが、それに加えて声やベースに余分な音がまとわりつかないことで純度の高さを引き出している。そこが特に重要なポイントだ。

Musica Nuda「Complici」(CD)

声のイメージは引き締まっているものの、シェイプアップされすぎた硬いタッチではなく、柔らかみのあるボディ感を伝え、体温の温かさを感じさせる。ベースのピチカートも基音の振動が一番強く、弦の太さと楽器の重量感をリアルに再現。浮ついたところない芯のある低音は実在感がとても豊かに感じるが、消えるときに余分な音を残さず切れが良いので、ボーカルは高い音域まで澄んだ音色を失っていない。S9900のウーファーをここまでコントロールするのは簡単ではないはずだが、No585はまるでセパレートアンプで鳴らしているような余裕すら感じさせる。

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