ドルビーアトモス対応の最新AVアンプを連続レポート
マランツ「SR7009」レビュー【前編】柔軟なSP配置が「アトモス導入」を容易に
マランツの最新AVアンプ「SR7009」は、ドルビーアトモスへの柔軟な対応力と、アンプとしての高い再現性を兼ね備えたモデルだ。大橋伸太郎が前後編の2回にわたって、本機の魅力を分析。前編では、SR7009のドルビーアトモス機能について分析する。
■2014年AVの最大のトピック「ドルビーアトモス」
2014年のオーディオビジュアル最大のトピックが、ドルビーアトモス・ホームである。ソフトは現時点で3タイトルにとどまるが、ドルビーアトモスで劇場公開された作品が順次パッケージ化され、来年はアトモスの本格普及の年になるはずだ。各社からドルビーアトモスに対応したAVアンプが今秋一斉に発売された。横一線からのスタートに見えて実は各社なりのアプローチとノウハウ応用がうかがえて面白い。そんな中、コンセプト、音質、機能の総合で頭一つ抜け出しているAVアンプがある。マランツの一体型AVアンプの最上位モデル「SR7009」がそれだ。
劇場版「ドルビーアトモス」のコンセプトについてはすでにご承知と思うので深入りはしないが、劇場(映画館)の規模に合わせ柔軟に三次元音空間を実現する映像音響がドルビーアトモスである。従来の5.1/7.1chベースから脱したオブジェクトオーディオであることが特徴で、あらかじめチャンネルに受け持ち音声を割り当てず、アトモスプロセッサーが劇場のスピーカー個数と配列にインテリジェントかつ柔軟に対応しコンテンツの意図に最も忠実な再現を行う。したがって、原理的にはサラウンドスピーカーのチャンネル数に制限はなく、それぞれにパワーアンプ1基があてがわれる。
もうひとつがトップスピーカーの存在。従来のサラウンドスピーカーが観客席を取り囲む配列では高さ方向の広がりや動きの表現に制約があった。ドルビーアトモスはスクリーン背後のスピーカーから客席後方へ向かって天井に二列のトップスピーカー群を設置することがルール。これで高さ方向の表現が飛躍的に増し、頭上に音源を静止させることも可能になった。
■SR7009のドルビーアトモス機能の特徴とは?
一方、家庭用のドルビーアトモスホーム。オブジェクトオーディオであることは劇場と同様だが、従来の5.1/7.1chが再生上のベースである。しかし、トップスピーカーは劇場同様にマスト。「アトモス イコール 三次元空間」だからである。トップスピーカー抜きのドルビーアトモスはあり得ないのだ。
ここからが本題。アトモスホームのトップスピーカーは、劇場同様に左右最低1基ずつ・2列構成がルールである。頭上での音空間の拡張と音源の移動効果を考えた場合、前後2列・4基構成が基本といっていい。在来線のドルビーTure HD、DTS-HDマスターオーディオで7.1chのソフトが増えていることを考えれば、グラウンドレベル+LFE(サブウーファー)+トップスピーカーで7・1・4。これがアトモスホームのスタンダードといえよう。つまりサラウンドアンプの再生能力が9chでは不十分なのである。
アトモスホームに対応する以上、サラウンドアンプには、少なくとも11chまでのデコード(プロセッシング)能力が必要だ。SR7009は9chのパワーアンプを内蔵。その上で11chのデコードとプリアウトが可能だ。つまりアトモスホームのスタンダードである7・1・4再生に対応する。その場合には外部ステレオアンプの追加が必要になるが、その場合おすすめしたいのがフロントL/Rをプリアウトして外部アンプで駆動する方法である。センターからサラウンド、トップスピーカーまで同一アンプで鳴らすのでアトモスらしい動きの表現が期待できそうだ。ステレオHi-Fi再生と最先端の映像音響の両立と言う点でも理にかなっている。
「俺はベーシックな5.1chにこだわる」というユーザーは、SR7009の場合、余った2chをフロントバイアンプとして使うことも可能だ。SR7009の大きな特徴がこの柔軟性だ。
■2014年AVの最大のトピック「ドルビーアトモス」
2014年のオーディオビジュアル最大のトピックが、ドルビーアトモス・ホームである。ソフトは現時点で3タイトルにとどまるが、ドルビーアトモスで劇場公開された作品が順次パッケージ化され、来年はアトモスの本格普及の年になるはずだ。各社からドルビーアトモスに対応したAVアンプが今秋一斉に発売された。横一線からのスタートに見えて実は各社なりのアプローチとノウハウ応用がうかがえて面白い。そんな中、コンセプト、音質、機能の総合で頭一つ抜け出しているAVアンプがある。マランツの一体型AVアンプの最上位モデル「SR7009」がそれだ。
劇場版「ドルビーアトモス」のコンセプトについてはすでにご承知と思うので深入りはしないが、劇場(映画館)の規模に合わせ柔軟に三次元音空間を実現する映像音響がドルビーアトモスである。従来の5.1/7.1chベースから脱したオブジェクトオーディオであることが特徴で、あらかじめチャンネルに受け持ち音声を割り当てず、アトモスプロセッサーが劇場のスピーカー個数と配列にインテリジェントかつ柔軟に対応しコンテンツの意図に最も忠実な再現を行う。したがって、原理的にはサラウンドスピーカーのチャンネル数に制限はなく、それぞれにパワーアンプ1基があてがわれる。
もうひとつがトップスピーカーの存在。従来のサラウンドスピーカーが観客席を取り囲む配列では高さ方向の広がりや動きの表現に制約があった。ドルビーアトモスはスクリーン背後のスピーカーから客席後方へ向かって天井に二列のトップスピーカー群を設置することがルール。これで高さ方向の表現が飛躍的に増し、頭上に音源を静止させることも可能になった。
■SR7009のドルビーアトモス機能の特徴とは?
一方、家庭用のドルビーアトモスホーム。オブジェクトオーディオであることは劇場と同様だが、従来の5.1/7.1chが再生上のベースである。しかし、トップスピーカーは劇場同様にマスト。「アトモス イコール 三次元空間」だからである。トップスピーカー抜きのドルビーアトモスはあり得ないのだ。
ここからが本題。アトモスホームのトップスピーカーは、劇場同様に左右最低1基ずつ・2列構成がルールである。頭上での音空間の拡張と音源の移動効果を考えた場合、前後2列・4基構成が基本といっていい。在来線のドルビーTure HD、DTS-HDマスターオーディオで7.1chのソフトが増えていることを考えれば、グラウンドレベル+LFE(サブウーファー)+トップスピーカーで7・1・4。これがアトモスホームのスタンダードといえよう。つまりサラウンドアンプの再生能力が9chでは不十分なのである。
アトモスホームに対応する以上、サラウンドアンプには、少なくとも11chまでのデコード(プロセッシング)能力が必要だ。SR7009は9chのパワーアンプを内蔵。その上で11chのデコードとプリアウトが可能だ。つまりアトモスホームのスタンダードである7・1・4再生に対応する。その場合には外部ステレオアンプの追加が必要になるが、その場合おすすめしたいのがフロントL/Rをプリアウトして外部アンプで駆動する方法である。センターからサラウンド、トップスピーカーまで同一アンプで鳴らすのでアトモスらしい動きの表現が期待できそうだ。ステレオHi-Fi再生と最先端の映像音響の両立と言う点でも理にかなっている。
「俺はベーシックな5.1chにこだわる」というユーザーは、SR7009の場合、余った2chをフロントバイアンプとして使うことも可能だ。SR7009の大きな特徴がこの柔軟性だ。