角田郁雄のオーディオSUPREME
【第5回】角田郁雄が各ジャンルから選ぶ「2014年のオススメモデル」はコレ!
角田郁雄氏がハイエンドからスモールオーディオまでを実際に使い、その魅力をレポートしていく「角田郁雄のオーディオSUPREME(シュープリーム)」。2014年の最後となる第5回は、角田郁雄が今年のオーディオ・シーンを総括。そして、角田氏が選ぶ「2014年のオススメモデル」を各ジャンルごとに発表する。
■今年のオーディオのこと。私の“今年一番”のモデル
今年も、あっという間に過ぎ去り、新しい年を迎えようとしています。読者の皆さんも、ご多忙のなかで一息つくために、きっと、いい音、いい音楽を楽しんでおられることと推察します。
今日は最初に、私の思う今年のことを少しお話します。最も印象的だったことは、「2014 東京インターナショナルオーディオショウ」や「“音展”オーディオ・ホームシアター展」において、“ハイレゾ”が大きなテーマになったことです。それぞれハイレゾを扱うイベントや講演も行われ、ハイレゾ・ミュージックもやっと市民権を得たのかなと実感しました。そう、少し遅かったようにも思いますが、ハイレゾ配信されているタイトルも充実し、今年登場したDACのほとんどにUSB入力やLAN入力が搭載されたことを考えると、ハイレゾ普及のターニングポイントとなった1年と言えるかもしれなせん。
しかしながら現実には、私が講演やイベントを行った際の実感として、ハイレゾには興味があるけど、難しさを感じて躊躇しているという方も多いようです。私は、10年ほど前から、ハイレゾの普及を考えてきましたが、当時から重視していたことは、使いやすさです。現行のUSB-DACは、パソコンのAudirvanaなどのミュージックプレーヤーとともに進化し、2、3の設定さえ行えば、すぐに再生できます。5年ほど前から比べれば、格段に使いやすくなりました。
USB-DAC以上に敷居の高さを感じる方も多いであろうネットワーク再生も、バッファローのDELA「N1A/N1Z」の登場により、とても使いやすくなりました。それでも導入に踏み切れない方がいる理由として考えられることは、ダウンロードの方法や音源の管理方法、CDリッピングの方法などが十分に紹介されていないからではないかと推察します。この点、来年はベーシックなハイレゾ再生をテーマとした雑誌ができないかなと編集部に提案しようと考えています。それは、いつでも活用できる“ハイレゾ・バイブル”のような本が理想と考えます。
■高次フォーマットに期待しつつ、音楽そのものの魅力を見直したい
それと、もうひとつ気になることがあります。それはハイレゾのフォーマットが11.2MHz DSDなどより高次のフォーマットへと拡大することです。現在のDACチップやディスクリート構成のDAC、そしてデジタル処理部を構成するFPGA、DSP技術を用いれば、こうしたフォーマットの実用はいとも簡単なことなのかもしれません。そして、こうした高次フォーマットも将来的に考えれば魅力であることは事実です。
しかし、現実のDACやネットワークプレーヤー選びで大切なことは、より聴く機会の多いハイレゾの主流フォーマット(96kHz・192kHz/24bit PCM、2.8MHz DSD)の音の再現性が高いこと、そして何より音が良いことが大切だと考えています。私の場合は特に、CDリッピング(44.1kHz/16bit)の音が、96kHz/24bitと比較しても聴き劣りしないことを重視しています。その理由は、CDリッピング音源で十分な弱音と倍音の再現ができるなら、ハイレゾ音源ではより一層の弱音と倍音の再現性が発揮できるからです。
個人的に思うのは、心に響く素晴らしい音楽はフォーマットを問わないということです。言い換えれば、ハイレゾフォーマットは音楽性を保障してはくれない、音楽を補ってはくれない、ということです。読者の皆さんには、聴感を素直にして、再生フォーマットだけにこだわらず、良い音を聴かせてくる、そして長く愛用できるモデルを選んで欲しいところです。
それでは、次項では、私が2014年で印象深かった「1番のモデル」を、ジャンルごとに紹介して行こうと思います。
■今年のオーディオのこと。私の“今年一番”のモデル
今年も、あっという間に過ぎ去り、新しい年を迎えようとしています。読者の皆さんも、ご多忙のなかで一息つくために、きっと、いい音、いい音楽を楽しんでおられることと推察します。
今日は最初に、私の思う今年のことを少しお話します。最も印象的だったことは、「2014 東京インターナショナルオーディオショウ」や「“音展”オーディオ・ホームシアター展」において、“ハイレゾ”が大きなテーマになったことです。それぞれハイレゾを扱うイベントや講演も行われ、ハイレゾ・ミュージックもやっと市民権を得たのかなと実感しました。そう、少し遅かったようにも思いますが、ハイレゾ配信されているタイトルも充実し、今年登場したDACのほとんどにUSB入力やLAN入力が搭載されたことを考えると、ハイレゾ普及のターニングポイントとなった1年と言えるかもしれなせん。
しかしながら現実には、私が講演やイベントを行った際の実感として、ハイレゾには興味があるけど、難しさを感じて躊躇しているという方も多いようです。私は、10年ほど前から、ハイレゾの普及を考えてきましたが、当時から重視していたことは、使いやすさです。現行のUSB-DACは、パソコンのAudirvanaなどのミュージックプレーヤーとともに進化し、2、3の設定さえ行えば、すぐに再生できます。5年ほど前から比べれば、格段に使いやすくなりました。
USB-DAC以上に敷居の高さを感じる方も多いであろうネットワーク再生も、バッファローのDELA「N1A/N1Z」の登場により、とても使いやすくなりました。それでも導入に踏み切れない方がいる理由として考えられることは、ダウンロードの方法や音源の管理方法、CDリッピングの方法などが十分に紹介されていないからではないかと推察します。この点、来年はベーシックなハイレゾ再生をテーマとした雑誌ができないかなと編集部に提案しようと考えています。それは、いつでも活用できる“ハイレゾ・バイブル”のような本が理想と考えます。
■高次フォーマットに期待しつつ、音楽そのものの魅力を見直したい
それと、もうひとつ気になることがあります。それはハイレゾのフォーマットが11.2MHz DSDなどより高次のフォーマットへと拡大することです。現在のDACチップやディスクリート構成のDAC、そしてデジタル処理部を構成するFPGA、DSP技術を用いれば、こうしたフォーマットの実用はいとも簡単なことなのかもしれません。そして、こうした高次フォーマットも将来的に考えれば魅力であることは事実です。
しかし、現実のDACやネットワークプレーヤー選びで大切なことは、より聴く機会の多いハイレゾの主流フォーマット(96kHz・192kHz/24bit PCM、2.8MHz DSD)の音の再現性が高いこと、そして何より音が良いことが大切だと考えています。私の場合は特に、CDリッピング(44.1kHz/16bit)の音が、96kHz/24bitと比較しても聴き劣りしないことを重視しています。その理由は、CDリッピング音源で十分な弱音と倍音の再現ができるなら、ハイレゾ音源ではより一層の弱音と倍音の再現性が発揮できるからです。
個人的に思うのは、心に響く素晴らしい音楽はフォーマットを問わないということです。言い換えれば、ハイレゾフォーマットは音楽性を保障してはくれない、音楽を補ってはくれない、ということです。読者の皆さんには、聴感を素直にして、再生フォーマットだけにこだわらず、良い音を聴かせてくる、そして長く愛用できるモデルを選んで欲しいところです。
それでは、次項では、私が2014年で印象深かった「1番のモデル」を、ジャンルごとに紹介して行こうと思います。