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<山本敦のAV進化論 第40回>

【レビュー】リモート視聴でチャプターも利用可能に ‐ DLPA 2.0に対応した新“RECBOX”を試す

公開日 2015/01/21 11:52 山本 敦
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画質設定は自動、またはファイルごとに手動でも行える。リモート視聴の場合は約2.1Mbps(1080p)/1.7Mbps(720p)/1.1Mbps(720p)/0.7Mbps(360p)から再生品質が選べる。それぞれメニューリストに「ブロードバンド回線での再生向き」「モバイル回線(LTE)での再生向き」と、画質に適した視聴環境の説明も表示されるので、時々で得られる通信環境の中からどの画質を選べばよいのかわかりやすい。

再生画質の選択メニュー

今回LTE経由で下り10Mbps前後の速度が確保できる環境にて試してみたところ、2.1Mbps/1.7Mbpsでは映像が所々固まってしまうことがあったものの、1.1Mbpsではスムーズに視聴ができ、5.2インチのXperia Z2の画面でも十分に満足できる画質が得られた。0.7Mbpsではストリーミングの伝送が安定するものの、映像にブロックノイズが目立ってくる。特に“引き”のカットでは人物の顔やディティールが認識できなくなるため、ドラマやスポーツ中継を見る時には、どうにかして1.1Mbps以上の通信環境を確保して望みたい。

Wi-Fiにつないで「約3.0Mbps(1080p)」の画質で再生。引きのショットでもディティールが割と鮮明に確認できる

Wi-Fi「約2.1Mbps(1080p)」の画質を選択。ノイズは乗るが画質は上等

画質は当然ながら高品位に設定すると今度はデータ通信量が増える。そうなると今度は、一般的なキャリアのLTEデータ通信プランで決められている通信容量の上限もチラチラと気になりはじめる。外出先でWi-Fiが利用できる環境であれば積極的にオフロードして使うことで、画質、ストリーミングの品質ともに安定してくることを覚えておきたい。

LTEで「約1.7Mbps(1080p)」の画質を選択。輪郭にかなりノイズが現れはじめる

「約0.7Mbps(360p)」の画質では人物等にモザイクがかかったようになってしまう


■録画番組の圧縮保存にも対応

HVL-DRシリーズでは、レコーダーから録画番組をダウンロードムーブする際、自動的にサイズを小さくする圧縮保存が行える。本体はH.264ハードウェアトランスコードに対応しており、元の解像度を保ったままでデータサイズが圧縮できるのが特徴だ。機能の設定は「DR Controller」アプリから行う。圧縮保存の画質は約8Mbps「高画質」から、3.4Mbps「中画質」、1.6Mbps「低画質」より選択ができる。番組を一件ずつ選んで圧縮する方法と、ダウンロードムーブを行う際に常時圧縮をかけるよう固定しておくこともできる。これにより、HVL-DRシリーズのHDDの空き容量にゆとりをつくれるメリットもある。

ダウンロードムーブの画質設定

レコーダーからHVL-DRシリーズにダウンロードムーブを行っているところ

ほかにも「DiXiM Play SE」アプリには「持ち出し番組」機能も付いているので、通信環境が確保できない場所で番組を視聴する際は併用すると便利だ。通勤電車の中ではLTEの電波が安定しないことも多いだろうから、そんな時には持ち出し番組機能と併用すれば快適に番組がみられる。さらに持ち出し時にも画質を選んで転送ができる。

複数のタイトルをまとめてダウンロードムーブできる

プレーヤーアプリのメニュー画面。「持ち出し番組」はこちらから選択する


再生画質はトップに宅内Wi-Fi、続いてブロードバンド回線、LTEの順に並ぶ

■アップデートによる機能追加にも期待

NexTVフォーラムのガイドラインに沿ったリモート視聴と、ユーザー体験の点で大きく変わってくるのはやはりチャプター操作への対応だ。「DiXiM Play SE」のインターフェースはシンプルで使い勝手も良く、レスポンスも機敏でユーザーの勘所をよく押さえている印象を受けた。反面、HVL-DRはテレビチューナーを搭載していないので、ライブ視聴ができないところがリモート視聴機能を取り込むBDレコーダーとの大きな違いになる。DLPA 2.0に対応する東芝のレコーダー(関連記事)もライブ視聴ができない機種であるため、スポーツ中継などを中心にリモート視聴を活用したい人にとっては残念に感じられるところ。次世代機での対応を心待ちにしたい。

「DiXiM Play SE」ではオーディオファイルの再生も一応可能だ

今回はテストを実施するタイミングが早すぎたため検証ができなかったが、HVL-DRシリーズは今年、ファームウェアのアップデートによる様々な機能追加を予定している。中には、スマホで撮影した動画や写真を外出先からHVL-DRシリーズにアップしたり、本機以外に保存されているDLNAネットワーク内のコンテンツを、本機が中継してスマホ向けにトランスコードして宅内配信できるなどのメニューが含まれている。

筆者が最も期待しているのは「外出先からBDレコーダーにアクセスして、BDレコーダーに録画した番組を本機にダビングする機能が、外出先から操作できるようになる」というものだ。つまり現状では、レコーダーからHVL-DRシリーズにダウンロードムーブをし忘れた番組は外出先でリモート視聴できないが、この不便さが解消されるということだろう。旅行先のホテルなどで、HVL-DRシリーズに貯まっている番組をブラウジングして、見たいものだけ選んでリモート視聴するといった使い勝手の向上につながるはずだ。

機能追加によって進化するHVL-DRシリーズは、ユーザーにとって購入後にも魅力の色あせない録画機器だと言える。アップデートにより追加される機能についてもある程度まとまってきたあたりで紹介できればと思う。

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