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音質や機能向上、4Kテレビ&ゲームとの相性まで

アップデートで使い勝手がさらに向上。ECLIPSE「TD-M1」“現在の実力”を検証

公開日 2015/02/04 11:41 高橋敦/折原一也
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■PS4ゲーム『The Last of Us』の作り込まれたゲーム世界を「TD-M1」で堪能


PS4のゲームをTD-M1のサウンドで楽しんでみた
テレビと組み合わせてこれだけのサウンドが楽しめるならば、ゲームをプレイするときにもTD-M1を活用したくなる。筆者は据え置きゲーム機を日頃からプレイしているのだが、今回はプレイステーション4(PS4)でちょうどプレイしていた『The Last of Us』というゲームでTD-M1のサウンドを検証してみた。

本作は『アンチャーテッド』シリーズの開発で知られるノーティードッグ社が開発を手がる人気タイトル。謎の細菌によって絶滅の危機に瀕した近未来アメリカを舞台に、主人公のジョエルと少女エリーが迫り来る感染者と生き残りをかけて戦うサバイバルアクションである。いわゆる“ゾンビゲー”に分類できるゲームだ。


プレイしたのは人気タイトル「THE LAST OF US」
3DCGで制作された美しいグラフィックはもちろん、洗練された映画的な演出や、7.1chで制作されたサウンドデザインは、世界中の数々のゲーム賞を受賞している。最新ゲーム機の表現力を存分に活かした傑作ゲームだけに、そのサウンドも存分に楽しみたいところ。

筆者は普段、リアル5.1ch環境によるサラウンドでこのゲームをプレイしている。TD-M1はもちろんステレオスピーカーだが、サラウンド構築が難しいユーザーやシンプルなシステムを好むユーザーにとっては、2chの再現性も重要なポイントだろう。PS4の音声出力はHDMIと光デジタルなので、今回はHDMI出力をいったんテレビに接続し、テレビのヘッドホン出力経由でTD-M1のアナログ入力に音声を入力した。マルチチャンネル音声はダウンミックスされて2chで再生されることになる。


プレイしながらそのサウンドを確認する折原一也氏
『The Last of Us』は3D視点のゲームのため、上下左右の視点操作や主人公の移動に合わせてリアルタイムで音源の位置が変わる。TD-M1はステレオ再生であるのに関わらず、位置感を正確かつ明瞭に再現してくれる。これは最大の美点だ。

プロローグとなる冒頭シーンでは、部屋から漏れるテレビの音声の位置、部屋の中に鳴り響く携帯電話の呼出音の緊張感、そして自動車がグルグルと方向を変えても追従する音の位置感などが、ダウンミックスのステレオ再生でありながらプレーヤーとして正しく知覚できるのは見事だ。一方、感染者から逃げる群衆の声の響き、腹に響く豪快な爆発音はパワフルで、ゲームの世界観に徹底的にのめり込める。山寺宏一氏による主人公の渋みのある日本語ボイスも味わい深い。声の再現の正確さもゲームへの没入感を増してくれる。

リアル5.1chサウンドと比べれば背後の音の方向感には限界があるが、真横より前の位置再現は完璧だ。そして、何より静寂からの音の立ち上がりが速いので緊迫感があり、足音のような小さな物音も聴き漏らすことがないためゲームプレイの上でも好適だ。TD-M1の空間表現と微細音の再現をもってすれば、簡易なシアターシステムよりはよっぽど、ゲーム世界の音空間を正確に再現できると太鼓判を押したい。

■Androidアプリ「ECLIPSE TD Remote for Android」でハイレゾ音源を再生


Androidスマートフォン「Xperia Z3 Compact」にECLIPSE TD Remote for Androidをインストールした
TD-M1を4Kテレビ、そしてゲームと組み合わせてそのサウンドを体感してきたが、多くの時間を過ごすであろうテレビの両サイドにTD-M1を設置するなら、日常的にはWi-FiやUSB接続を使ってオーディオを楽しむ用途もメインのひとつになるだろう。最後に、昨年12月から新たに公開されたAndroidアプリ「ECLIPSE TD Remote for Android」を使って、スマートフォンからの音楽再生を検証した。組み合わせたスマートフォンは、ソニー「Xperia Z3 Compact」だ。


「Google Play」で公開されている「ECLIPSE TD Remote for Android」のアプリ

起動後にWi-Fiのセットアップを行うと「TD-M1」を認識

スマホ内に保存されたのハイレゾ音源もストリーミングで再生
セットアップの流れは基本的にiOS用アプリと同様で、「ダイレクトモード」での直接接続と、無線LANルーターを介しての「ルーターモード」接続どちらにも対応する。ECLIPSE TD Remote for Androidの操作画面も基本的にiOS版と共通だが、iOS版では現時点で対応していないアプリ内から選曲や再生がこちらでは可能になっている。


Xperia Z3 Compactにプリインストールされたプレーヤーアプリからハイレゾ音源を再生しているところ

ちなみに、ウォークマン標準機能の「Throw」からもオーディオデバイスとして認識した
ハイレゾに対応した「Xperia Z3 Compact」ではライブラリにハイレゾ音源も表示され、選択すればTD-M1からハイレゾ音源をワイヤレスで再生できてしまうのが興味深いところ。再生についてはダウンコンバートされていると考えられるが、TD-M1とスマートフォンのみでハイレゾまで再生できる環境がそろってしまうのである。ちなみにネットワーク上のDLNAレンダラーを指定して再生を行うXperia Z3 Compact内蔵のThrow機能の出力先としてTD-M1を指定することも可能だった。

オーディオ再生の音質レビューはPart1の高橋敦氏の記事に譲るが、TD-M1はスマートフォンに保存された様々なジャンルの音源も、正確かつ立ち上がりの早いサウンドで再生してくれた。ハイレゾ対応のアクティブスピーカーのマイルストーンといえる完成度を誇ると言えるだろう。

TD-M1は音楽に加えて、テレビ番組や映画の視聴、ゲームプレイと、オーディオ&ビジュアルをシンプルな構成で楽しめる上質なシステムである。テレビは家族が集まったり、プライベートな時間を長く過ごすところに設置されているからこそ、ここにTD-M1を組み合わせれば、様々なソースを正確な音で楽しむことができるのだ。コストパフォーマンスの高さも特筆しておきたい。

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