<山本敦のAV進化論 第45回>Android TV広報担当者にメールインタビュー
Google担当者に聞く「Android TVの強み」− テレビの楽しみ方はどう変わる?
グーグルの担当者は「他社のプラットフォームについてグーグルが言及することはできない」と前置きをしながらも、「Android、Google Play、Google Castによるエコシステムの恩恵を完全に受けることができるのはAndroid TV搭載デバイスのみである」ことを強調する。
また、他社のプラットフォームと相対するかたちでいま「スマートOS戦争」が起きつつあるとも言われているが、グーグルはこのことをどう捉えているのだろうか。グーグルの担当者はこう語ってくれた。
「Android TVは、オンスクリーンコンテンツに最も比重を置いたユーザー体験を提供します。YouTubeやGoogle Play、そしてパートナー企業から提供される様々なコンテンツへ簡単にアクセスすることができ、開発者にとっても、既存のAndroidアプリを大画面に向けて簡単に展開することができるという利点があります。また、ゲームに特化した設計にもなっているため、コントローラーを追加するだけで、Android TVを独立したゲームコンソールとして扱うことが可能です」
2月27日にワイモバイルが国内向けに発売した「Nexus Player」では、Androidスマホやタブレットと連携して、モバイル端末に保存したプライベート動画や写真を大画面テレビにワイヤレスで飛ばして(キャストして)楽しむほか、Google Playストアで購入したゲームや映画コンテンツを大画面で楽しむことなどができる。
Android TVの誕生により、これまで多くのユーザーがスマホ/タブレットを中心に体験してきたAndroidプラットフォームのマルチデバイス体験が、今度はテレビにも広がることになる。これはつまり、オーディオビジュアルを楽しむライフスタイルの幅が深みを増すということ。現時点ですでに実機(Nexus Player等)でそのメリットを享受できる点は、他のスマートテレビ向けのプラットフォームに対する優位性があるとも言える。
さらに、コンテンツに最適化されたスムーズな操作性を実現している点もグーグルがAndroid TVの強みとして掲げる部分だ。
一例として、Androidスマホとの連携により、これをAndroid TVのリモコン代わりに活用ができる。Chromecastをお使いのユーザーならすぐにイメージできると思うが、スマホで検索したYouTubeや他のVODコンテンツを、Wi-Fi経由でテレビの大画面にキャストして観ることができるわけだ。
また、ゲームコンテンツについてはセーブ機能を利用することで、外出先でプレイしてたゲームの続きを自宅のAndroid TVで遊ぶといった使い方が実現される。その背景には「いま世界で10億台以上の端末が普及しており、毎日150万台以上がアクティベートされている」と、Nexus Playerのローンチイベントで、Google Playアジア太平洋地域統括副社長のクリス・ヤーガ氏がコメントしたように、Andorid端末がコンシューマー市場に投入されてから、長年に渡ってユーザーに揉まれながら成長し、得てきた経験値にアドバンテージが表れているように思う。
■「ゲーム」がAndroid TV躍進のカギ
Android TVの機能的な特長について、もう少し触れておこう。アップルのiOSデバイスとの連携も可能だ。すでにChromecastでも実現されているように、Google Castの機能を使ってiPhoneやiPadに保存したコンテンツをWi-Fi経由で宅内のAndroid TV機器にキャストすることができる。そのほか、アプリがAndroid TV対応であれば、スマホとテレビの両方でそのアプリを利用できる。