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<山本敦のAV進化論 第45回>Android TV広報担当者にメールインタビュー

Google担当者に聞く「Android TVの強み」− テレビの楽しみ方はどう変わる?

公開日 2015/03/03 16:21 山本 敦
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各テレビメーカーと情報を共有しながら製品を開発していく過程で、グーグルがリードする部分と、反対にメーカーが主導して開発ができる部分との割合はどうなっているのだろうか。残念ながらこの質問についても「詳細は語ることができない」という回答だった。

テレビは家族がリビングに集まって楽しむ家電製品であり、1〜2年で買い換えるスマホやタブレットと違って、10年近いロングタームで使われる製品カテゴリーだ。買い換えのサイクルが緩やかなテレビのプラットフォームを、今後バージョンアップ等でどれほどサポートしていける仕組みが担保されているのだろうか。購入後数年して、テレビのスマート機能そのものが陳腐化してしまい、ソフトウェアのプログラムの規模に対してハードの処理性能が追いつかないため、アップデートでも対応ができなくなるといったことが起こらないとも限らない。このあたりはこれから購入を検討するユーザーとしては気にかかる部分だ。

この質問に対してグーグルから明確な回答を得ることはできなかったがが、一つの考え方としてグーグルではセキュリティーを重要視しており、Androidが高い安全性を考慮して設計されたものであるため、長く安心して使えるプラットフォームであるというコメントは得られた。

「Google Playストアには、世界最高レベルのマルウェアプロテクションが導入されており、すべてのアプリケーションがスキャンの対象になっています。ユーザーの設定によって、Google Play以外からダウンロードされたアプリに対してスキャンを実行することも可能です」と、同社の担当者は強調している。

スマートフォンと同じ感覚で手軽にインターネットにつながってしまうことが、テレビの役割を考えた際にふさわしくない側面も出てくる。例えば有害なコンテンツを子供が視聴できなくするためにはどうすれば良いのか。Android TVではペアレンタルコントロールは設定が可能だが、マルチアカウントログインには非対応であるという。これから普及が進むほどに、ユーザーの実環境を反映させた使い勝手に絶えず磨きをかけていくことが必要になる。

さらに、リビングを中心とした家庭内でのIoT機器のコントロールセンターにテレビを位置づけた場合、今後グーグルではホームアプライアンスとの連携なども視野にいれているのだろうか。グーグルは「現時点では、Android TVを通じて良質なエンターテイメント体験を提供することに注力している」とコメントしている。

Andoridのコネクティビティは、今後カーエンターテインメントにも広がっていく具体がCESで披露されたことはまだ記憶に新しい。競合プラットフォームの中にはホームアプライアンス系の製品にもコネクティビティの輪を広げて優位性を強調する向きもあった。モバイルだけでなく、宅内にもAndroidをベースにした機器連携のネットワークを戦略的に張り巡らせていくことができるのか。「スマートOS戦争」の続きの成功は、ひとえにAndroid TVの成功にかかっているのかもしれない。

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